ビリー・アイリッシュが難病の少女にメッセージ
18歳という若さにしてグラミー賞主要4部門制覇を果たしたシンガーのビリー・アイリッシュが、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中にさまざまな影響をもたらすなか、白血病とひたむきに闘う13歳の少女に心温まるメッセージを送っていたことが、少女の家族が公開した動画により明らかになった。
カナダ・バンクーバーに暮らすカムリン・エックスリーは、13歳にして人生二度目の白血病と闘っていた。カムリンの家族がCTV Newsに語ったところによると、カムリンが最初に急性リンパ性白血病と診断されたのは9歳の頃。数年間の闘病の末、ようやく克服したものの、今から数カ月前に再発。一家が暮らす地域にも新型コロナウイルスの感染拡大の不安が広がるなか、現在も病院での入院生活を余儀なくされている。
カムリンは、4月にバンクーバーで行なわれるはずだったビリーのコンサートに行くことをつらい治療と入院生活を乗り越えるための1つの目標にしていた。しかし、現在の病状では、その願いは叶わないことがわかり、カムリンは落胆…。
結局、新型コロナウイルスの影響で予定されていたビリーのコンサートは延期となったが、落ち込むカムリンを何とか元気づけることはできないかと考えた彼女の姉は、インスタグラムを通じて3月頭頃からビリーに働きかけていた。
ビリーのファンたちがSNS上での拡散を手助けしてくれたこともあり、カムリンの姉からのリクエストはビリーのもとに届いた。
自主隔離中の自宅から励ましのメッセージ
現在、外出禁止令が出されているカリフォルニア州で、兄であり音楽制作におけるパートナーでもあるフィニアス・オコネルや両親とともに自主隔離をしているビリーは、自宅の寝室とみられる場所でカムリンに宛てた動画メッセージを撮影。
家族がフェイスブックで公開した動画には、憧れのビリーから送られてきたメッセージを病室のベッドの上で初めて目にしたカムリンが、「信じられない!」と喜びの涙を流す様子が収められていた。
その後、カムリンは自分のインスタグラムで、ビリーからのメッセージ動画を公開。その中でビリーはこんな言葉で難病と闘うカムリンにエールを送っていた。
「ヘイ、カム(※)、ビリーだよ。このビデオを作って、あなたに手を差し伸べて、私はあなたを応援してるって伝えたかった。あなたのことが大好きだよ。どうか強く生きて。今は本当にいろんなことがツラいよね。あなたの身に起きていることはクレイジーだと思う。ごめんね。でも、あなたが大好き。お大事にね」
※カムリンのニックネーム
カムリンは、ビリーから直々に応援メッセージをもらえたことについて「人生で最高の出来事」と話し、この動画をすでに「1万回は見た」と“笑い泣き”の絵文字を添えてコメントしている。
新型コロナウイルスの影響により、世界各国での医療現場の切迫した状況が連日のように伝えられているが、その裏には、カムリンのように難病と闘っている患者もたくさんいることも忘れてはならない。
ずっと病と闘ってきた彼らは、基礎疾患がある人は重症化しやすい傾向にあるという新型コロナウイルスへの感染を恐れているだけでなく、医師や医療スタッフが新型コロナ患者への対応に追われ、専門外の医師が呼吸器系の診療に駆り出されたり、緊急性が無い手術の延期が検討されるといった医療現場の変化する状況にも大きな不安を感じている。(フロントロウ編集部)