『アドベンチャータイム』
子供向けの絵柄だからといって侮ることなかれ。核爆弾で世界が崩壊した後、魔法が復活した世界を舞台に、人間の少年フィンと犬のジェイクの親友コンビが、地球唯一の「ウー大陸」で冒険するストーリー。脈絡のない内容とブラックユーモアに溢れたギャグセンスは、あまりにもカオスすぎるけれど、そこが妙に面白い。さらに、意味不明な内容に反して毎回「教訓」を得られる不思議なしんみり感は病みつき。本作は、Amazonプライム・ビデオでも配信中。
『ヴォルトロン』
海外アニメの絵柄が苦手という人におすすめなのが、『ヴォルトロン』。1981年に放送された日本のロボットアニメ『百獣王ゴライオン』を北米向けに再編集した往年の人気テレビアニメ『ボルトロン』のリブート版。不思議な力に導かれた戦士が宇宙の守護者と呼ばれる巨大なスーパーロボットを動かす5人の騎士となり、悪の帝国に立ち向かう。本作では、リーダーのシローという男性がゲイという設定。今までのヒーローアニメでは見られない多様性に富んだ設定も見どころ。
『ボージャック・ホースマン』
気が抜けた馬の絵が特徴的な本作は、アメリカで超人気の大人向けアニメ。主人公のボージャックは、昔売れていた落ち目の俳優。過去の栄光にすがって豪邸に住み、自堕落な生活を送っている。そんな本作は、ただのブラックコメディでは終わらない。見れば見るほど、ゾクゾクするほど身に染みるセリフの数々が飛び出し、見るのをやめられなくなる。ちなみに、ボージャックの家に居候している青年の声優を務めているのはドラマ『ブレイキング・バッド』のジェシー役で有名なアーロン・ポール。
『スティーブン・ユニバース』
言わずと知れた名作アニメ『スティーブン・ユニバース』。海外アニメ制作会社のカートゥーン・ネットワーク史上初の女性アニメ監督デビュー作であり、同社で初めて同性愛を扱った作品でもある。宝石たちのマジカルチーム「クリスタル・ジェムズ」と海辺の田舎町に住むスティーブンの活躍を描いたファンタジーの本作は、性別のステレオタイプにとらわれない登場人物たちの人生を切なく描き出している。クリエイターは日本のアニメに影響を受けていて、キャラクターの表情や動きはとても美しく仕上がっているため、見ていてとても楽しい。Amazonプライム・ビデオでも視聴可能。
『シーラとプリンセス騎士』
バービーなどで有名なマテル社が、1980年代に販売した女性ヒーローのフィギュアシリーズ「She-Ra」が元になっているアニメ。1985年には『シーラ: プリンセス・オブ・ パワー』としてアニメ化され、2018年にドリームワークスによってリブートされたのが『シーラとプリンセス騎士』。タイトルの如くプリンセスたちが大活躍する本作は、女性同士の連帯や対立がリアルに描かれている。さらに、民を助け導く存在である「戦士」ではあるけれど、戦士になったばかりの少女たちが見せる戸惑いや失敗への悔しさや悲しみが痛いほど伝わってくるという意外とハードな内容。
『リック・アンド・モーティ』
本作は、カートゥーンネットワークのアダルトスイムで放送されている大人向けSFアニメ。天才科学者でマッドサイエンティストのおじいちゃんリックとその孫モーティが繰り広げる、エロありグロありのはちゃめちゃな内容がたまらないと評判で、アメリカでは漫画化もされている。とにかくキャラクター全員がどこかおかしくてカオスなところが笑えて、謎のタイミングでシリアスになったり、どぎついジョークを言ったりして笑わせてくれるのに、なぜかしんみりする。そんな感情の波に襲われることで、脳がすっきりすること間違いなし。
『グリッチ・テックス』
Netflixで2020年2月に配信されたばかりの最新アニメ。主人公は、ゲームの世界から実体化した怪物たちを退治する秘密エージェントという設定で、日本でもお馴染みのゲームをプレイしている姿が楽しめる。とにかくアニメーションの動きがカッコ良くて、絵も可愛いためか、配信されてすぐ話題に。ゲームをテーマにしていることもあり、バーチャル体験と現実との違いや、バーチャル世界で遊ぶことの意義、趣味との向き合い方などを考えさせられる内容に。
『ワクフ』
物体を瞬間移動させる能力をもつ主人公、ユーゴが繰り広げる壮大な冒険ファンタジー『ワクフ』は、フランス産のアニメ作品。王道のファンタジー冒険物で、シリアス展開も恋愛もあり。テンポも良くて、キャラクターも可愛い。絵柄もいわゆるカートゥーン調ではないので、海外アニメ初心者にはオススメしたい一作。1話1話の完成度がまるで映画のように高いところも本作の見どころ。
家で過ごす時間にドラマや映画を見るのもいいけれど、海外アニメを見て気分転換してみてはいかが?(フロントロウ編集部)