オーケストラが各自宅から演奏
これまでにミュージカル『キャッツ』や『オペラ座の怪人』、『オズの魔法使い』などを手掛けてきたイギリスの世界的作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバー男爵は、新型コロナウイルスの影響で、現在自宅隔離を行なっている。多くの人が有り余る時間を持てあましているけれど、巨匠ロイド・ウェバー男爵には、もちろん音楽がある。
そこで彼がツイッター上でファンに、彼に今ピアノで弾いてほしい楽曲のリクエストを募ったところ、1,000を超えるコメントが。その結果選ばれたのは、『オペラ座の怪人』の「All IAsk Of You(オール・アイ・アスク・オブ・ユー)」。ロイド・ウェバー男爵がファンのためにピアノを弾く動画を公開したところ、さらに、なんとも心強い人々が彼のために各地から集合する事態となった。それは、ミュージカル『オペラ座の怪人』のオーケストラメンバー!
『オペラ座の怪人』の公式アカウントは、ロイド・ウェバー男爵とオーケストラメンバーの各演奏動画を合わせて、1つの動画にして公開。正装しているメンバーや、怪人の仮装をしたメンバー、休憩中には本を読むふりをしているメンバーなど、オーケストラの仲の良さも垣間見える映像となっている。ロイド・ウェバー男爵も、まさかオーケストラが参加してくれるとは思っていなかったようで、「本当に素晴らしいよ!」とコメントした。
芸術は人々の人生を支える
家で時間を過ごす時に楽しむ人も多い音楽や映画、小説や絵などは、すべて芸術。日頃はアートやデザインに敬意を払わない人もいるけれど、今の時期は芸術が持つ価値を再認識することも。世界有数の名門オックスフォード大学を、音楽への情熱を追うために中退した過去を持つロイド・ウェバー男爵もまた、人々にこんなメッセージを送った。
With everyone spending more time at home, music and the arts is more important than ever. I have always believed in how music can empower people, so this to me seems like the perfect opportunity for people to explore their creativity. After all #HomeIsWhereTheMusicIs - ALW pic.twitter.com/hAlzfGQUgi
— Andrew Lloyd Webber (@OfficialALW) March 25, 2020
「みなさんが家で今までより多くの時間を過ごしている今、音楽やアートはより一層重要なものとなっています。音楽がどれだけ人々を勇気づけるかということを、私は長年信じてきました。だからこれ(自宅隔離)は私にとって、人々が自分のクリエイティビティを探るのに完璧な機会だと思っています」
新型コロナウイルスの影響で多くのアート・デザイン関係者の収入が無くなっていることを受けて、イギリスでは、イングランド芸術評議会が約213億円(1億6000万ポンド)の緊急支援を3月24日に発表。また、ヨーロッパのアートシーンで強い存在感を発揮しているドイツではアートに携わる個人・自営業者向けに、なんと5兆8,700億円もの支援が発表された。モニカ・グリュッタース文化相は、「アーティストたちの存在は必要不可欠なだけでなく、生命のために欠かせないものなのです。とくに今は」と話している。
ロイド・ウェバー男爵はその後、自分の楽曲をピアノで弾く動画をいくつか投稿。その動画に合わせてファンが歌う映像を1つの動画にして公開したり、自分が気に入ったファンの歌声をピックアップして批評したりと、今の時期をファンとの交流に使っている。
Thank you for all your brilliant entries this week! Here's a Sunday singalong, showcasing some of our best Josephs!! - #TeamALW #HomeIsWhereTheMusicIs pic.twitter.com/HeEI1E31aO
— Andrew Lloyd Webber (@OfficialALW) March 29, 2020
(フロントロウ編集部)