そこに込められた従業員たちの思いとは?
アメリカ国内の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3月中旬から無期限で臨時休園しているフロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(以下ディズニーワールド)で、休園期間中も園内の見廻りなどを行うセキュリティ担当のキャストたちが「毎日欠かさず行なっている事」に反響が集まっている。
つい先日、ディズニーワールドの総支配人であるジョシュ・ダマロ氏が自身のインスタグラムを更新し、休園期間中のパークの安全を守ることを任されたセキュリティ担当のキャストたちが、自主的に毎日欠かさず星条旗を掲げていることに感銘を受けたことを告白。
ダマロ氏は、「今日、世界はまったく違う姿をしています。でも、唯一以前と変わらないのは、ディズニーワールドに掲げられたアメリカの国旗です。マジック・キングダムの魔法(マジック)を守る業務にあたっているセキュリティチームのキャストたちが、毎朝欠かさず国旗を掲げていることに勇気をもらいました」と称えると、続けて「(園内に掲げられた星条旗は)我々キャストの心は今もそこにあり、決して屈しないということを象徴するものです。私たちは必ず戻ってきます。また、近いうちにお会いしましょう」とディズニーファンに向けてメッセージをおくっている。
臨時休園後、人っ子ひとりいない“ゴーストタウン化”したディズニーランドの姿が話題になったりもしたが、活気がなくなった園内に今も掲げられている星条旗に込められたキャストの思いに、ファンからは「さすがディズニー」「感動した」といった声が多く聞かれた。
ディズニーランドにある星条旗は本物じゃない!?
ちなみに、園内のいたるところに掲げられている星条旗が、じつはすべて“ニセモノ”だということをみなさんはご存じだろうか?
アメリカの国旗である星条旗は、赤×白の13本の横線からなる縞模様が独立当時の植民地、左上部の星が現在の州の数を表している。しかし、ディズニーランドに掲げられている星条旗をよく見ると、どれも星の数が違ったり、縞模様の線が少なかったり、どこか必ず間違っている。自分たちの国の国旗のデザインに誤りがあるなんて、本来であればあってはならないことだが、これにはちゃんとした理由が。
「弔事の際は旗を旗竿の半分程度の位置に掲げること」「夜は照明を当てること」など、アメリカでは星条旗を掲げる際の明確なルールが法律で定められており、ディズニーランドのような公共の施設で本物の国旗を掲げる場合、これらの規定を必ず守らなければならない。それを避けるための解決策として、ディズニーランドではわざと“ニセモノ”の星条旗を掲げているというわけ。
ちなみに、マジック・キングダム(ディズニーワールド)とカリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランドのメインストリートの正面に掲げられている星条旗だけは、正真正銘、本物の国旗なのだそう。(フロントロウ編集部)