新型コロナウイルスによって亡くなった女性の「声」が、アマゾン(Amazon)のアレクサ(Alexa)に記録されていた。亡くなる直前の悲痛な叫びに、心が締めつけられる。(フロントロウ編集部)

新型コロナウイルスによって女性が死去

 2020年4月4日に、66歳のローアン・ダゲンが亡くなった。死因は、新型コロナウイルス感染と、長年患っていた糖尿病と高血圧だった。

 アメリカのミシガン州に住んでいたローアンは、約10年前に脳卒中で倒れてから、ケアホームに身を寄せていたという。ローアンの妹ペニーは、生前のローアンは人を楽しませることが好きで、ギターやピアノなどの楽器が得意だったと、米WWJ NEWSに話す。また、教会で腹話術を披露することもあり、さらには絵本を出版したこともあったという。

画像: 新型コロナウイルスによって女性が死去

 そんなローアンは、ケアホームにAmazon Echoを置いていたそう。そしてローアンの死後、妹のペニーがAlexa(アレクサ)に記録されていた音声を確認したところ、いくつかの音声が発見された。そこには、病に侵されたローアンの悲痛な叫びがあった。

「アレクサ、助けて」

「アレクサ、痛みをどうにかするために助けてくれる?」

「あぁアレクサ、痛むわ」

姉のこの音声を聞いたペニーは、「申し訳ない気持ちしかないです。私は彼女を助けられなかった。彼女を守れなかった」と話した。

すれ違う人を感染させないための外出自粛

 感染拡大が問題となっている新型コロナウイルスでは、家族が感染したとしても、もちろんお見舞いには行けない。そのため、多くの患者が孤独なままウイルスと闘わなくてならず、そのまま亡くなった人々の感情は計り知れない。外出自粛令が出されているイギリスに暮らすある男性は、「上司の親が感染して亡くなったが、お葬式すらあげられない。ひどすぎる」とフロントロウ編集部に明かした。

画像: すれ違う人を感染させないための外出自粛

 新型コロナウイルスの感染拡大で問題となっているのが、感染者のうち多くが、無症状ということ。フィレンツェ大学のセルジオ・ロマグナニ免疫学教授は、新型コロナウイルスに感染した患者のうち50%から75%が無症状であると英TheBritish Journalに回答している。また、中華人民共和国国家衛生健康委員会は、4月1日に新型コロナウイルス陽性と判断された新規患者166名のうち、78%にあたる130名は無症状だったと同誌に明かした。

 自分がウイルスを持っているとは思わずに外へ出かけたり、人の近くに立ったりすることは、他の人へウイルスをまき散らすことにもなりかねない。姉を亡くしたペニーは人々へ向けて、「他の人のことを考える必要があるんです。分かるでしょう?このウイルスは気楽にいられるものではない。致命的なものなんですよ」と、その願いを語った。(フロントロウ編集部)

 記事内の画像はすべてイメージです。

This article is a sponsored article by
''.