『モーターサイクル・ダイアリーズ』
キューバの革命家チェ・ゲバラが書いた若き日の南米旅行記『チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記』をもとに制作されたロードムービー。アルゼンチン、チリ、ペルーなどをバイクで2人旅し、それぞれの夢を叶える前のひと時を過ごす青春の爽やかさがたまらない。主人公たちが世界遺産のマチュ・ピチュで風に吹かれて佇む様子や、南米の人々のリアルな生活の様子を見て旅行気分を味わえる。
『君の名前で僕を呼んで』
ティモシー・シャラメとアーミー・ハマーが、北イタリアで一夏の恋に落ちる本作。爽やかな北イタリアの、夏の日差しと草や果物の香りが、見ているコチラにまで伝わってきそうな映像に酔いしれる。米Indie Wireによると、本作の撮影が行なわれた34日中28日は雨。さらに、さらには天気予報士が「100年に一度の大雨」というほどの暴風雨に見舞われた。それにもかかわらず、映像の中の北イタリアは晴天。
『ザ・ビーチ』
映画『タイタニック』で一気にスターダムに登ったレオナルド・ディカプリオが、100本以上のオファーを蹴ってまで出演を決めたと言われる異色作。主人公はタイを放浪しているうちに、ある男から“美しすぎる”伝説の島の話を聞きそこへ向かうが、驚きの美しさと同時に恐ろしすぎる事態に直面する。撮影が行なわれたのは、タイのピーピー諸島。説明にある通り、息を呑むほど美しい。岩山に囲まれたスカイブルーの海に熱帯の植物や動物たち。ストーリーは怖いけれど、景色は眼福。
『ダージリン急行』
バラバラになっていた三兄弟が、父の死をきっかけに集まり、インドの秘境を列車で旅する本作。監督は、ウェス・アンダーソン。車道を普通に動物が歩いているような混沌とした街並み、高台からの絶景、寺院や現地の民家など色とりどりで精密な模様が描かれた建築物。それに、シーンに合わせた音楽も雰囲気ピッタリ。今すぐインドに行ってみたくなるようなワクワク感を味わうことができる。三兄弟を演じるのは、オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマン。
『寝取られ男のラブ♂バカンス』
彼女にフラれた作曲家が1人でハワイに傷心旅行に出かけるも、なんと隣の部屋はその元カノと新彼氏! というドタバタコメディ。でも、意外にもハワイの何気ない風景やレストラン、ホテルの雰囲気が超リアルなところが侮れない。主役はジェイソン・シーゲルで、ヒロインはクリステン・ベル、さらにポール・ラッド、ジョナ・ヒル、ビル・ヘイダーなど豪華キャストがずらり。見終えた時には自分の“ハワイアン・ネーム”を調べちゃうかも。
『マダム・イン・ニューヨーク』
本作の舞台はニューヨーク。家族の中で自分だけが英語を話せない母親が、1人インドから渡米し英会話スクールに通うというストーリー。ニューヨークを知らない人目線で描いているからこそ、とてもリアルでワクワクする。ワシントンスクエアパークやその近くの実在のカフェ、セントラルパーク…。主人公のドキドキが伝わってくるようでとても素敵。主演のシュリデヴィは、インドの伝説的な俳優で、本作が15年振りのカムバック作。今後の活躍も期待されていたものの、2018年に54歳の若さで急死した。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
2019年公開のクエンティン・タランティーノのアクションスリラー映画。1969年のハリウッドを舞台にしている本作は、当時を忠実に再現するために作り込まれたセットが非常に精密。そのため、まるで「1969年のハリウッド」に旅行に行った気分を味わえる。ポップな色使いの看板や建物、道ゆく人々も美しく、ド派手なパーティーは“ザ・ハリウッド”! レオナルド・ディカプリオ演じる落ち目の俳優とブラッド・ピット演じるその専属スタントマンのある大事件を描く。
『ノスタルジア』
静かな旅行気分を味わいたい人はこれ!「映像の詩人」と呼ばれるソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーによる本作の舞台はイタリアのトスカーナ。主人公のアンドレは、自死したロシアの作曲家の取材のために旅をしていた。息を飲むほどに美しく静かで染み渡る映像と、幻想的な展開、雨の音、風が揺らす草木、砂利を踏む音、動物の鳴き声、全てが繊細に映し出される。本編では「もうすぐ世界の終末が訪れる」というセリフがあるけれど、本当にそう思えるほど美しい。崩れ落ちそうな大聖堂は、イタリアに現存するサン・ガルガーノ大聖堂の廃墟。
自宅待機やリモートワークで家にいる時間が長く、旅行に行きたくてたまらない人は、ひとまず「旅行に行った気分になれる映画」をみて気分転換してみては?今からイメージトレーニングして、新型コロナウイルス収束後の旅の予定を立てよう。(フロントロウ編集部)