俳優のトム・ハンクスが「コロナ」という名前が原因でイジメにあった少年にプレゼントを送った。

コロナウイルスから回復したトム・ハンクス夫妻

 映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』などの人気作で知られる俳優のトム・ハンクスと妻のリタ・ウィルソンは今年3月、滞在先のオーストラリアで風邪のような症状に見舞われ、検査でコロナウイルスの陽性反応が出たことを発表。

 トムとリタはそのままオーストラリアの隔離施設で治療を受け、幸い軽い症状で済んだため、同月中に母国アメリカに帰国したことを報告していた。

コロナ君からの手紙

 今回、トムは自身がコロナウイルスに感染したことを聞いたオーストラリア在住8歳の少年、コロナ・デ・フリース君からお見舞いの手紙を受け取っていたことが明らかになり、そのお返しとして、コロナ君に彼の名前にちなんだプレゼントを送っていたことも判明。

画像1: コロナ君からの手紙

 「あなたと奥さんがコロナウイルスにかかったというニュースを聞きました。体調は大丈夫ですか?」と、トムとリタに宛てて手紙を書き始めたというコロナ君は、手紙のなかで、自分の名前のために学校でイジメにあっていることを明かしたという。

 「僕は自分の名前が大好きですが、学校ではコロナウイルスと呼ばれています。そうやって呼ばれるたびに、悲しくなり、怒ってしまいます」と、自分と同じ名前を持つ新型コロナウイルスの感染が世界的に広がっているなかで、自分が受けているつらいイジメを打ち明けたコロナ君。

 オーストラリアでの治療中にも、外国人の身である自分たちの治療にあたっている人たちへの感謝を示すなど、数々の“良い人エピソード”で知られる心優しいトムが、コロナ君からの手紙を黙って見過ごすはずもなく、アメリカへの帰国後にはなってしまったけれど、彼にお礼の手紙を送った。

 以下、トムが書いた返信の全文訳。

 親愛なる友人のコロナへ。
 君から手紙をもらって、僕も妻もとても喜んでいるよ!素敵な友達になってくれてありがとう。友達というのは、友達が大変な時に助けてくれる人のことだ。
 すっかり元気になった後で、アメリカに戻ってからにはなってしまったけど、テレビで君を見たよ。もう病気ではなかったけど、君の手紙のおかげでもっと元気になった。君は僕の知っているなかでただ1人、コロナという名前を持っている。太陽を囲う輪っかという意味で、王冠という意味もある。
 このタイプライターは君に合っていると思う。僕が(オーストラリアの)ゴールドコーストに連れて行ったもので、それが今、帰ってきたんだ。君のところにね。使い方は大人のひとに聞いてみて。これを使って僕に返信を書いてくれよ。
 追伸。君はともだちだよ(You've Got a Friend in Me)

 自身が主人公ウッディの声優を務めたディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー』の主題歌「君はともだち(You've Got a Friend in Me)」の歌詞を最後に引用するなど、粋なメッセージをコロナ君に送ったトム。

画像2: コロナ君からの手紙

 しかし、トムがコロナ君に送ったプレゼントは返事の手紙だけでなく、その手紙にも書かれているように、彼はタイプライターもプレゼント。コロナ君と同じ「コロナ」という名前が刻まれたこのタイプライターは、トムがオーストラリアでの治療中に使っていたもの。

 トムからの心のこもった手紙とプレゼントに、コロナ君も勇気づけられたはず。しかもトムは、手紙の最後で返信まで求めていて、今後もコロナ君との文通を続ける姿勢を示している。何から何まで、さすが“良い人”トム。(フロントロウ編集部)

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