『ロード・オブ・ザ・リング』出演者たちがZoom同窓会
第1作目の公開から20年が経とうとしている今も、世界中にたくさんのファンを持つファンタジー映画シリーズ『ロード・オブ・ザ・リング』。
主人公のフロドを演じたイライジャ・ウッド、フロドの親友サムを演じたショーン・アスティン、メリー役のドミニク・モナハン、ピピン役のビリー・ボイド、アラゴルン役のヴィゴ・モーテンセン、レゴラス役のオーランド・ブルーム、ギムリ役のジョン・リス=デイヴィス、ボロミア役のショーン・ビーン、ガンダルフ役のイアン・マッケランといえば、それぞれ、同作で“旅の仲間”を演じた彼ら9人を意味する「9」のタトゥーをエルフ語で入れるほど、深い友情で結ばれていることで知られている。
これまでにも、たびたび数名で再集結してファンを喜ばせることがあったキャストたちが、新型コロナウイルス禍のチャリティ特別企画として、ウェブ会議アプリZoom(ズーム)を介したリモート同窓会を開催。
ゴラム役のアンディ・サーキスやエオメル役カール・アーバン、アルウェン役リヴ・タイラー、エオウィン役ミランダ・オットー、そして、監督のピーター・ジャクソン、共同脚本家のフィリッパ・ボウエン、音楽のハワード・ショアも参加した再会トークのなかで、第1作目である『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001年公開)の“あの名シーン”にまつわる、ファンとしては、あまり知りたくないかもしれない衝撃の裏話が明かされた。
まさかの「カンペ見放題」
知られざる事実が明かされたのは、現在でもインターネットミーム(※)として人気の、ショーン演じるボロミアが「モルドールは簡単に歩いて入れるような所ではない(One does not simply walk into Mordor.)」と旅の仲間たちに冥王サウロンが居を構える“影の国”であるモルドールの危険さを警告した際の場面を含むシーン。
※インターネット上で流行するネタや画像の総称。
Zoomでのトーク中にショーンがこのセリフを再現してみせると、ジャクソン監督がこの場面の撮影時にショーンがしていた、とんでもないカンニングについてこう明かした。
「あのエルロンドの会議のシーンで、ショーンが言わなければいけないスピーチは、じつは前日の夜に書かれたものだったんだ。長かったし、ショーンが台本を手にしたのは、撮影当日の朝だった。そこで、ショーンがやったのは、台詞を印刷した紙を膝に貼りつけるという方法だった。あのシーンを改めて見てみると、ショーンがカンペをチラ見している瞬間に気づくはずさ」
なんと、長めのセリフを覚える時間が無かったために、膝にカンペを貼り付けて、さりげなくチラ見しながら演じるという、ファンタジー感度外視の手法で撮影に臨んでいたというショーン。
ジャクソン監督は「僕はすごく賢いやり方だと思ったけどね」と、もともと制作陣が台本をギリギリで渡したのが悪かったので仕方ないといった口ぶりで示唆しながら、カンペをチラ見するショーン演じるボロミアのモノマネまで披露して、キャストたちの笑いを誘っていた。
ちなみに、こちらが、ショーンがカンペを見ながら演じたボロミアの名シーン。
言われてみれば、確かに、たまに視線が下のほうに行っているのがわかる。それでも、かなり自然に演じきっているため、今回明かされた情報を知らなければ、まったく気にはならない。
今回の豪華再集結は、ディズニー映画『美女と野獣』や『アナと雪の女王』の英語版のオラフの声などで知られる俳優のジョシュ・ギャッドが主催している特別企画『Reunited Apart(リユナイテッド・アパート)』の第4エピソードとして配信されたもの。
トークの全編は下の動画から視聴できる。
ジョシュは、これまでに映画『グーニーズ』や『バック・トゥー・ザ・フューチャー』、『スプラッシュ』といった名作映画のキャストたちをZoom上で再集結させて大好評を博している。同企画は、視聴者たちに新型コロナウイルス禍で食糧難に陥ったアメリカ国内の子供たちを支援する目的で、チャリティア団体のNo Kid Hungry(ノー・キッド・ハングリー)への募金を呼びかけている。(フロントロウ編集部)