卒業式がなくなってしまった生徒たちのために、校長先生があるサプライズを行なった。(フロントロウ編集部)

新型コロナウイルスの影響で卒業式が中止

 新型コロナウイルスの影響で、世界各地の多くの学校がオンライン学習に切り替わり、最終学年だった生徒の多くが卒業式を行なえなくなってしまった。アメリカのノースカロライナ州にある高校でも卒業式の開催は見送られ、ガウンや帽子を身につけて、家族の前で卒業証書を受け取る機会はなくなってしまった。

 しかし、生徒思いの校長先生タバリ・ウォレス氏と教諭たちはどうしても生徒ひとりひとりをお祝いしたいと、ある行動に出る。

 まず、卒業生220名全員分のお祝いプレートを制作。そしてそれを持って、220名全員の家をすべて訪問してお祝いした。彼らが移動した範囲はなんと、485平方マイル(約1,256平方キロメートル)!

様々な困難を乗り越えた2020年卒業生

 ガウンと帽子を身につけ、卒業式の際の正装で各家庭を訪問したウォレス校長に、生徒たちも笑顔に。在学中から生徒と良い関係性を築いていたことが分かる教諭たちと生徒は、その場で簡単な卒業式を開いた。生徒だけでなくその家族も、少しでも子供たちが高校生活に区切りをつけるイベントを設けられて喜んでいる様子。

 じつは2020年の卒業生たちは、新型コロナウイルス以外にも様々な出来事から、その学園生活で困難を経験していた。例えば2018年に発生したハリケーン・フローレンスは、ノースカロライナ州に建つ建物の崩壊や洪水など、現地に甚大な被害を及ぼした。また、ハリケーンは高校の近くにあった小学校の建物も破壊しており、高校生たちは小学生たちと校舎を共有していたという。

 そういった経緯もあり、卒業式がなくなったことで生徒たちが感じるやるせなさをより感じた校長や教諭たちは、ひとりひとりの生徒のために行動を起こした。

 アメリカでは、卒業式がなくなってしまった生徒のために多くの校長先生が行動を起こしている。フロリダ州にある高校の校長も、ウォレス校長と同じように全生徒626名のために卒業を祝う看板を手作り。最優秀生徒には、生徒総代に選ばれたことを祝うデザインのものを贈ったそう。また、テキサス州にある高校の校長は、約2週間をかけて、卒業生612名全員に手渡しでキャンディボックスをプレゼントしてまわった。(フロントロウ編集部)

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