米スターバックスが従業員たちの服装に関して「着用を認めない」としたアイテムに関して、通達を撤回した。(フロントロウ編集部)

スターバックス、不買運動まで起こった「服装に関する規定」を撤回

 アメリカ国内で勤務する従業員たちに対し、黒人に対する人種差別に抗議するデモ「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター/黒人の命も価値がある)」(以下BLM)への賛同や支持を表明する衣服や小物を身に着けることを禁じる通達を出していたことが、米Buzz Feed Newsが入手したメモによって判明した大手コーヒーチェーンのスターバックスが、世間からの非難が集中したことを受け、この“お達し”を撤回。一転、従業員たちにBLM関連の衣服や小物を身に着けることを許可した。

画像: スターバックス、不買運動まで起こった「服装に関する規定」を撤回

 BLM関連アイテムを着用してはいけないというルールは、「政治的、宗教的、または個人的な問題に関する意思表示を行うことを禁ずる」という就業規則に反し、さらに、一部の人に「誤解を与え、暴力を誘発する可能性がある」という店内における事件発生を未然に防ぐ目的も兼ねて、従業員たちに徹底が求められたものだった。

 しかし、スターバックスは、LGBTQ+への理解を深めることを目的とした6月の「プライド月間(Pride Month)」に合わせて、従業員たちがLGBTQ+コミュニティへのサポートを表明するピンバッジなどの着用を許可している。

 このことから、従業員はもちろん、世間の多くの人々からも「なぜLGBTQ+は良くて、BLMは良くないのか」と“矛盾している”として、SNSを中心に批判が殺到。一部の消費者のあいだでは、不買運動が起きるほどとなった。


まったく真逆の措置をとる

 “お達し”が明るみに出た翌日の6月12日、スターバックスは、従業員たちのBLM関連アイテムの着用を認めると発表するとともに、自社オリジナルのBLM Tシャツを25万枚以上製作し、従業員たちに配布することも告知。

 デザインには「Black Lives Matter」のほかに、「No Justice, No Peace(正義が無ければ、平和もない)」というスローガンがプリントされたものも含まれるという。

 スターバックスの広報は、服装に関する“お達し”が流出する前の週からBLMに関するオリジナルTシャツの製作・配布を計画していたと明かしており、これらのTシャツが届くまでは、従業員たちが、手持ちのTシャツやピンバッジといったアイテムを使用して独自にBLMへの支持をアピールすることは問題ないとしている。

 スターバックスは6月のプライド月間に合わせて、LGBTQ+のシンボルであるレインボーカラーを取り入れた再利用可能なマグカップやタンブラーを販売し、その収益の一部をLGBTQ+コミュニティーを支援する団体に寄付している。同社が、今後、それと同様にBLMをサポートするためのチャリティ商品を企画・販売するかは、今のところ明らかになっていない。(フロントロウ編集部)

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