香港で民主化を求めるデモが広がる
香港では昨年2019年から、民主化を求めるデモが続いている。これは1997年に英国から返還され、2047年まで「一国二制度」として行政や立法などの自治権を認められている香港の一部住民が、未だ制限のある選挙権などを求めて香港政府や中国政府に対して行なってきたもの。
亡くなる人も出るなど、参加者と政府の間で激しい衝突が繰り広げられてきたデモは現在も続いている。今年5月28日には、中国の全国人民代表大会で香港に「国家安全」を維持するための施策を整備するよう命令が下されたが、この決定は中国が「一国二制度」を崩壊させ、香港を統制しようとしているとの解釈が広まり、デモは激化。日本の安倍総理大臣が、主要7ヶ国首脳会議において中国を牽制するために主導的な役割を担いたいと述べたり、イギリスのボリス・ジョンソン首相が香港住民にイギリスのパスポートを発給する方針を示すなど、世界でもこの中国の決定に反対する動きが広まっている。
ビリーとフィニアスがSNSで言及
そんななか、ビリー・アイリッシュと兄のフィニアス・オコネルがSNSで香港のデモに言及。ビリーは米現地時間6月15日、ファンから寄せられた香港のデモに関するツイートのスクリーンショットを自身のインスタグラムのストーリーでシェアした。
ビリーが共有したツイートには、「私は香港出身で、ここの抗議者たちは、警察による暴力に対抗するための最も賢い方法をいくつか持っています」と綴られていた。ビリーは香港に関連した投稿を共有したのみで、自身の見解など、ビリーからのコメントは発表されていない。香港のメディアCoconutsによれば、香港の民主化を求める人々からはビリーの行動に感謝するコメントが寄せられている一方で、中国最大のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」では香港でのデモを支持しているような行動をとったビリーを批判する声も寄せられているという。
一方、フィニアスの投稿は少々問題視されたよう。フィニアスは香港で行なわれているデモと、アメリカで行なわれている人種差別の廃止を訴える「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)」運動の、アメリカにおける報道のされ方を比較する画像をインスタグラムのストーリーに投稿したという。
アメリカでは一部のデモ参加者が暴徒化しており、その様子が連日報じられている。フィニアスが投稿したのは、香港のデモにおいてもそのような暴徒化した参加者がいるのに、どうしてアメリカではそうした人々のことは報じないのかと疑問を呈している画像。フィニアスはおそらく、自国の暴徒化したデモ隊のことは“きちんと”報じるアメリカのメディアを批判する目的でこの画像を投稿したと思われるものの、彼の投稿には香港の一部の人々から、“なぜ香港の人々を暴徒のように扱うのか”といった声が寄せられたという。フィニアスもビリーと同様、香港のデモについて自身の見解は示していない。
ビリーとフィニアスは社会問題に積極的に声をあげてきており、先日、ビリーは人種差別や白人の特権について自身の思いを綴った長文のメッセージをインスタグラムに投稿したほか、ブラック・ライヴズ・マター運動の抗議デモにも参加した。
billie eilish at a protest of the "black lives matter" movement in Highland Park, Los Angeles California @billieeilish #BillieEilish #BLACK_LIVES_MATTER #support #Peacefulprotest #justice pic.twitter.com/9Wn66zJS2w
— William Eilish (@eilishwilliam18) June 7, 2020
(フロントロウ編集部)