ウィノナ・ライダー、メル・ギブソンの差別発言を告白
映画『シザーハンズ』や『ドラキュラ』でヒロインを演じ、現在はNetflixドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』でジョイス・バイヤーズを演じている俳優のウィノナ・ライダーが、俳優メル・ギブソンによる人種差別や同性愛差別発言について、英The Sunday Timesのインタビューで明かした。
ウィノナは、2010年にも米GQによるインタビューのなかで、メルの差別発言について話していたけれど、その際には、「本当にひどい同性愛のジョーク」とだけ明かしていた。ユダヤ人であるウィノナは、1990年代なかばに訪れたあるパーティーでメルと一緒になったという。
「私達が友人とともに、人が大勢いたパーティーに参加していた時のことです。メル・ギブソンは葉巻を吸っていて、私達は話をしていました。そして彼は、ゲイである私の友人にこう言ったんです。『え、待ってくれよ。俺はエイズにかかるのか?』。そして話の流れでユダヤ人のことになって、『君はオープン・ドッジャーじゃないよな?』と言ってきました」
“オーブン・ドッジャー”は直訳するとオーブンで焼かれるのを免れた人という意味で、第二次世界大戦中のドイツにて強制収容所で焼き殺されたホロコーストの被害者であるユダヤ系への差別用語。
他にも多くの問題発言をしてきたメル・ギブソン
メルは自宅に教会があるほどの熱心なカトリック教徒として知られており、過去にも反ユダヤ人発言や、同性愛者と女性の人権を否定する発言をしている。2006年に飲酒運転で逮捕された際には、「くそユダヤ人め…。この世のすべての戦争はユダヤ人のせいだ」と言い、また、現場にいた女性警官に対して「良い胸だ」と発言している。そしてメルの父親は、ホロコーストは嘘だと発言したことがある。
また2004年には、構想12年、約28億円の私財を投じて自身の宗教観を映像化した『パッション』を公開。キリストの死の責任をユダヤ人に押しつけているとして、宗教間の対立を危惧する関係者の間で大きな論争となっていた。
メル・ギブソン側はウィノナの発言を完全否定
この件について、メルの代理人は「100%嘘だ」とコメント。さらに、ウィノナがインタビューのなかで、メルはその後謝罪したと話したことも否定した。
「当時メルが謝罪しようとしたというもの、彼女の嘘です。彼女がついた嘘について、何年も前に彼女に連絡しようと試みましたが、彼女はその問題についてメルと話し合うのを拒絶しました」
しかしこの事態を受けて、メルは、キャスティングされていた2000年の子供向けアニメーション映画『チキンラン』の続編から解雇された。メル側のコメントを受けて、ウィノナはこう反論している。
「私は救いと許しを信じています。ギブソン氏が健全な方法で彼の中の悪魔との付き合い方を見つけられるよう願っています。そして、私はその(悪魔の)うちの1人ではありません。1996年頃、私と友人のケヴィン・オークインは彼から嫌悪の言葉を受けました。それは私の中で、痛みを伴う鮮明な記憶となっています。この人生における行動の責任を取ることで、私達は償い、互いに敬意を払えるのではないでしょうか。彼の人生の旅が上手くいきますように」
(フロントロウ編集部)