「オンライン鑑賞会」がおうち時間の新定番に
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、多くの人が外出せずに自宅で過ごす時間を充実させる方法を模索するなか、海外の若者たちの間では、離れた場所にいる友人や家族、恋人と一緒に映画やドラマ、リアリティ番組を楽しめる“同時視聴サービス”が新たな定番となっている。
「Netflix Party(ネットフリックス・パーティー)」や「Scener(シーナー)」に代表されるこのサービスでは、NetflixやHBO Max、Amazonプライムビデオ、Huluといったストリーミングサービスで配信されている映像作品をオンラインで一緒に見ながら、画面上に表示されるグループチャット機能を使ってリアルタイムの会話が可能。リアクションを共有することで、遠隔に居ながら一体感や感動を分かち合えると人気となっている。
人気を二分する「Netflix Party」(Netflix作品のみ対応)と「Scener」(NetflixとHBO Go/HBO Now対応)は、いずれもGoogleのインターネットブラウザ、Google Chrome(グーグルクローム)の拡張機能。無料でダウンロード&インストールでき、お互いが同じストリーミングサービスの会員であれば、ログインして作品のURLをシェアするだけで、一緒に作品を観ながら、ライブチャットをして楽しむことができる。
Netflix Party とScenerの違いは?
それぞれ一度に最大50人までチャットルームに参加できる「Netflix Party」と「Scener」の大きな違いは、「Netflix Party」はテキストチャットのみが可能であるのに対し、「Scener」は音声チャットとビデオチャットができること。
さらに「Scener」には“パブリック・シアター”と呼ばれる、何百万人ものユーザーが一緒に映像を視聴しながら意見交換できる機能も。同機能のお披露目には、“史上最低の映画”としてカルト的な人気を誇る映画『ザ・ルーム』の出演者グレッグ・セステロと一緒に、同作を題材にしたジェームズ・フランコ主演の映画『ディザスター・アーティスト』を視聴するというオンライン鑑賞イベント実施されて話題となった。
「Netflix Party」、「Scener」使用の注意点
● 動画を同時視聴するそれぞれが、ストリーミングサービスのアカウントを持っていなければならない
● Google Chromeからストリーミングサービスにログインする必要がある
● スマホやタブレット端末には対応していないので、パソコンのみの利用
● ストリーミングサービスの公式機能ではないため、インストールは自己責任
現時点では「Netflix Party」も「Scener」もパソコン用ブラウザのみの対応のため、スマホやタブレット、もしくはスマートTVやゲーム機器での利用はできない。
ほかにもある! 同時視聴を可能にする機能&アプリ
そのほかにも、Huluにはオフィシャル機能である「Hulu Watch Party(フール―・ウォッチ・パーティー)」、AmazonプライムビデオにはAmazon傘下のゲーム配信に特化したライブストリーミング配信プラットフォーム、Twitch(ツイッチ)の「Twitch Watch Party(ツイッチ・ウォッチ・パーティー)」が適応。
日本でも6月からサービスが開始したディズニーのストリーミングサービス、ディズニー・プラス(Disney+)もアカウント所有者同士が同時視聴を行なえる「Disney Party(ディズニー・パーティー)」と呼ばれるGoogle Chromeの拡張機能を2ドル99セントで販売している。
さらに、YouTube動画の同時視聴には、「Kast(キャスト)」や「Metastream(メタストリーム)」、「Twoseven(トゥーセブン)」という無料もしくは有料アプリが人気。スマホやタブレットで同時視聴をしたいという人には「Rave(レイヴ)」というアプリが好評となっている。
ビデオ通話やリモート飲み会もいいけれど、映画やドラマを見ながら感動を共有したり、ああだこうだツッコミを入れてジョークを飛ばし合ったりするのは楽しいもの。気になる人はトライしてみては?(フロントロウ編集部)