ニッキー・ブロンスキーが「同性愛」をカミングアウト
2007年に公開されたミュージカル映画『ヘアスプレー』に主演し、キュートでコミカル、そして人々の心を震わせる演技を見せ、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)ほか数々のアワードにノミネートされ、放送映画批評家協会賞では若手女優賞を受賞した俳優のニッキー・ブロンスキーがTikTokに投稿した動画を通じて、同性愛者であることをカミングアウトした。
@therealnikkiblonsky Hi, it’s Nikki Blonsky from the movie I’m Gay! ##pride ##imcomingout ##hairspray
♬ I'm Coming Out - Diana Ross
ニッキーは、LGBTQ+の人気アンセムとしても知られるダイアナ・ロスの1980年の名曲「アイム・カミング・アウト(I’m Coming Out)」に合わせて『ヘアスプレー』時代からさらに進化したパワフルなダンスと表情豊かな口パクを披露。
「I’m coming out. I want the world to know. I got to let it show.(殻を破ってカミングアウトするわ。世界中に知らせたい。さあ見せつけてやるのよ)」という冒頭の歌詞を、自分自身を指さしながら口ずさんだニッキーのこの動画には、当初、「ハーイ、私はニッキー・ブロンスキー。カミングアウトします!#プライド」というコメントが。
その後、少々真意が伝わりづらいと感じたのか、ニッキーは「ハーイ、私、あの映画(『ヘアスプレー』のこと)のニッキー・ブロンスキー。私はゲイです!#pride #imcomingout
#hairspray」と、同性愛者であることを強調し、より多くの人々にメッセージが広まるようハッシュタグを改めるコメントに編集して、自身がレズビアンであることを明言した。
なぜこの日にカミングアウトした?
ニッキーがカミングアウトを行なったのは6月28日。6月のプライド月間のラストスパートでもある、この日は、LGBTQ+の歴史において非常に重要な「ストーンウォールの反乱」が起きた日。
1969年6月28日、米ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン」で、それまで抑圧されてきた性的マイノリティの人々が警察の横暴な捜査についに鬱憤を暴発させ、反撃を行なったこの事件は、LGBTQ+解放運動の原点とも言われ、その翌年の1970年6月28日には、ストーンウォールの反乱1周年を記念するデモ行進が開催。これが、現在、世界各国の都市で開催されている「プライドパレード」の始まりだったと言われている。
毎年、プライド月間そして、ストーンウォール・デイとも呼ばれる6月28日を記念して、それまで明かしていなかった自分のセクシャリティを公表する人が多い。
2020年のプライド月間には、ドラマ『リバーデイル』の俳優リリ・ラインハートがバイセクシャルを公表したほか、ドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』の俳優テイラー・シリングが女性の恋人との交際を明らかにしてカミングアウトをしたほか、イギリスの元サッカー選手トーマス・ビーティやスペインのアーティストパブロ・アルボラもゲイであることを公表した。
これまで幾度となくLGBTQ+コミュニティへのサポートを表明してきたニッキーもまた、この機会に自身もコミュニティの一員であることを、音楽やダンスを生業とする彼女らしい方法で高らかに宣言。
ニッキーがカミングアウトを行なった投稿には、フォロワーたちからたくさんの祝福と応援のコメントが寄せられており、ニッキーはそのひとつひとつに心を込めて返信している。(フロントロウ編集部)