デュア・リパが「女性の生きづらさ」を語る
今年3月、デビューアルバム以来、約3年ぶりとなるニューアルバム『Future Nostalgia(フューチャー・ノスタルジア)』をリリースしたシンガーのデュア・リパ。次世代を担うポップ・プリンセスと称され、その個性的なファッションセンスでファッショニスタとしても注目を集めるデュアが、男性優位社会における“女性の生きづらさ”について米ELLEのインタビューで語った。
待望の新アルバム『Future Nostalgia』に収録されている楽曲「Boys Will Be Boys(ボーイズ・ウィル・ビー・ボーイズ)」は、長年、“女性だから”という理由で感じてきた生きづらさについて歌ったものであることを明かしたデュアは、同曲に込めた思いについて「とくに職場における男女不平等や女性の権利について、これまでに何度か声を上げてきたけど、この曲は(職場ではなく)もっと個人的なレベルの問題や、自分のなかで蓄積されている痛みについて歌ったものなの」とコメント。
続けて、「(女性の生きづらさについて)友達とも話したんだけど、みんな夜道を1人で歩く時に、(いざという時に武器として使えるように)鍵を指と指のあいだに挟んで持ち歩いたり、誰かと電話で話すをふりをしたりした経験があるっていうことがわかったの。私を含め、女性なら誰しも一度は自分の身を守るために危険を回避する行動を取ったり、本当は着たくない服を着たりしたことがある。『あぁ、この服装で公共の交通機関を利用してパーティーに行くのは賢明ではない』と思ったことがある」と、“女性だから”という理由で、自分が本当に着たい服が着られないシチュエーションが多々あると語った。
たしかにデュアの言う通り、ベアトップ&ショート丈のロンパースを着ていた女性が“目のやり場に困る”という理由で飛行機の搭乗を拒否されたり、性的暴行の被害にあった女性が「露出の多い服を着ていたのが悪い」と非難されたり、今の世の中は女性の服装ばかりが問題視される風潮にある。デュアは自身がこういった問題に声を上げ、問題提起をすることで、人々が議論するきっかけを作りたいと思っているそう。
また、ハリウッドの元大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラ及び性的暴行事件が発端となって始まったMeToo運動や、年々、活発化している女性の権利向上や性差別撤廃を訴える様々な活動によって、過去に過ちを犯した一部の男性がその報いを受けていることに“希望”を感じているというデュアは、「誰も無敵じゃないし、“自分だけは大丈夫”なんてことはないって、みんなやっと目が覚めたんじゃないかな」と世の男性たちの意識が変わることに期待を寄せた。(フロントロウ編集部)