クリス・ヘムズワースが日本プロレス界でも有名な「あの人」を演じる
2011年に公開されたMCU(※)作品『マイティ―・ソー』以来、『アベンジャーズ』シリーズでも、これまで約10年間にわたって全能のハンマー“ムジョルニア”を操る雷神ソーを演じてきた俳優のクリス・ヘムズワース。
※マーベル・シネマティック・ユニバースの略
もともとマッチョボディで世間を魅了してきた彼だが、マーベル・コミック発のヒーローであるソーを演じるにあたって、まるで彫刻のように鍛え上げられた屈強な“ソー・ボディ”へと磨きをかけた。
そんなクリスは、映画『ジョーカー』を手がけたトッド・フィリップス監督がメガホンをとる、WWEの“超人レスラー”ハルク・ホーガンの人生の軌跡を描く伝記映画に主演するために、さらにひと回り大きくなろうと肉体改造の準備を始めているという。
米Tortal Filmのインタビューに応じたクリスは、ホーガンを演じるにあたり、ソーを演じたときよりも気合いを入れてサイズアップしなくてはならないだろうとこんな風に語った。
「この映画はすごく楽しいプロジェクトになると思う。みなさんのご想像のとおり、この役の役作りは、想像を絶するくらいフィジカルなものになるだろうね。これまでにないくらい、増量しなくちゃならない。ソーの時よりももっとね」
クリスが演じる「ハルク・ホーガン」ってどんな人?
ハルク・ホーガンは、アメリカ・フロリダ州出身のプロレスラー。1977年に覆面レスラーのスーパー・デストロイヤーの“中の人”としてデビューを果たしたホーガンは、1980年から1983年にかけて、当時WWEと提携していた新日本プロレスを主戦場として活動した。
自身が着ているTシャツをビリビリに破るパフォーマンスで知られ、リング名は、マーベルコミックの緑色のヒーロー「超人ハルク」からとったもの。
アントニオ猪木らと試合を展開し、“猪木の最大の宿敵“の1人とも呼ばれた彼は、映画『ロッキー3』への出演も後押しとなり、日本でも大ブレイク。一時は、新日本プロレスの看板外国人選手とも呼ばれた。猪木とタッグを組んだこともあり、当時人気だったアブドーラ・ザ・ブッチャーとともに日本のプロレス界を大いに盛り上げた。
その後、約10年間はアメリカに戻って活動を続けたが、1993年に再び来日。グレート・ムタこと武藤 敬司や天龍源一郎、藤波辰爾といった日本の有名レスラーたちとも対戦している。
特異なキャラクターを活かし、レスラーと並行して俳優業も行なっているホーガンは、2005年から2007年にかけて、彼の日常を追ったリアリティ番組『Hogan Knows
Best(ホーガン・ノウズ・ベスト)』も放送。人種差別的発言を巡って2014年にはWWEを解雇されるという騒動もあったが、2020年には、スコット・ホール、ケビン・ナッシュ、X-パックらと結成したプロレスラー・ユニットnWo(ニュー・ワールド・オーダー)として、WWEの殿堂入りを果たし、66歳となった現在も引退は明言していない。
『キン肉マン』の登場人物、ネプチューンマンのモデルとなった人物の1人としても知られているほか、そのほかの日本のマンガやアニメ、ゲームのキャラクターのモデルにもなっている。
クリスが「ハゲ頭&口ヒゲ姿」に?
ホーガンがレスラーとして成功するまでの道のりや全盛期に焦点が当てられるというタイトル未定の同作の撮影にあたり、肉体改造だけでなく、「髪をブロンドに染めて、たぶんハゲ頭にもするし、ホーガンのあのアイコニックな口ヒゲもたくわえると思う」と、ホーガンの風貌にできるだけ寄せることを計画していると語ったクリス。
「それから、アクセントや動作、態度なんかも学ばないといけないな。現実の域を超えたプロレス界の真髄についても深く知らなくちゃ。すごく楽しみにしてる」と、かなりノリノリでホーガン役に挑むよう。
ソーを演じてきたクリスが、MCU作品ではマーク・ラファロが演じたハルクの元である「超人ハルク」にその名を借りたハルク・ホーガンを演じる…この巡り合わせには、何だか不思議な縁を感じずにはいられない。
フィリップス監督が手がけるホーガンの伝記映画のタイトルは現時点では未定。クリスいわく、1~2年前から構想が練られてきたもので、現在、脚本の執筆が進められているという。
クリスが以前米Screen Rantに語ったところによると、制作陣はホーガンの「知られざる側面を描こうとしている」そう。『ジョーカー』でホアキン・フェニックス演じる主人公アーサー/ジョーカーの知られざる物語を描き出して高評価を得たフィリップス監督だけに、クリス演じるホーガンの伝記映画にも期待ができそう。
ちなみに、クリスは、『マイティ―・ソー』シリーズの最新作となる『ソー:ラブ・アンド・サンダー(Thor: Love and Thunder)』の撮影を8月にも地元オーストラリアで開始する予定。こちらの作品の公開は、2022年2月18日の全米公開を予定している。(フロントロウ編集部)