ジャネール・モネイ、音楽における女性差別に怒り
シンガー兼俳優のジャネール・モネイといえば、これまで「Pynk(ピンク)」や「Q.U.E.E.N.(クイーン)」など、多くのフェミニズムソングをリリースしてきた。そんなジャネールが自身のツイッターで、音楽業界にも根強く残るミソジニー(※)に対しての怒りを連投した。
ミソジニーとは?
女性嫌悪と訳されることが多い。しかし、例え“女好き”と言われる男性であっても、“女性の体”が好きなだけで、女性のことを人としては軽視している場合も非常に多く、それもミソジニーにあたる。また、女性自身もミソジニーであることは少なくない。オックスフォード辞書では、「女性に対する嫌悪、軽視、根深い偏見」とされている。
「本当に、女性がラップしてるのだけ聞きたい。ラップや音楽に関わるほとんどの男性たちによる多くのミソジニーには、イライラする。そんなクソなものは無くさないといけない。
女性(特に黒人女性)は、大部分の男性に長すぎる期間裏切られてきた。家父長制や、権力を持つ加害者のシステムは燃えている。ガソリンを持ってくるか、さもなければ彼らと一緒に燃えて。
ラップやロック、そして音楽の歴史の至るところで、あなたたちは女性をビッチ、ヤリマンを呼びたがり、女性への暴力を語る。ミソジニーが問題ではなかったことなんて一度もないのに、当たり前のこととされてきた。女性がミソジニーを作り出したわけじゃない。あなたたちが作り出した。だったら、あなたたちがそれを無くすために動きなさい!」
女性蔑視を音楽にすることで、カルチャーのように受け入れられてしまっていることを痛烈に批判したジャネール。例えばラッパーのカニエ・ウェストは、長年犬猿の仲で有名なシンガーのテイラー・スウィフトのことを、彼の楽曲「フェイマス(Famous)」の中でビッチと呼んでいる。
また、そんな“カルチャー”を作ったのは、男性自身。女性たちが自身に降りかかる差別に声を上げているけれど、それを変える責任があるのは男性たちだと訴えた。
宗教にさえ存在する女性差別
またジャネールは続けて、社会全体に根強く存在するミソジニーにも言及した。
「ミソジニーはエンターテイメントの中に存在し、会議やホワイトハウス、家庭、企業の中、軍、教会に存在する。それこそ、あなたたちが女性を人間として気づかったことがないことを物語っている。もし気づかっていたのなら、この差別は数百年前に消えていた。あなたたちには十分時間があったのに。
宗教が女性を抑圧し、ミソジニーのアイディアを永続させ、権力を持つために使われてきたことについて、私たちはもっと議論しなくてはいけないし、これは根絶しなくてはいけない!」
音楽や映像作品などのエンターテイメントだけでなく、物事の決定権を持つ場や、宗教の場でも、ミソジニーの考えが利用されてきたと話すジャネールは、一連のツイートで、差別について話をして声をあげることや、差別をしている側が自らを変える必要性を説いた。
このような呼びかけは、ここ数年で男性からも出るようになっている。ラッパーのマイソン(mysonne)は過去に、「女性を支持するためには、私たちは、男性が恩恵を受けている性暴力の文化、つまりレイプの文化などがあることを認めなくてはいけません。それを変えるためには、男性が変わらないといけないのです」と語り、意図的でなくとも女性を傷つけた可能性を認めるべきだと訴えた。(フロントロウ編集部)