ティーンの間で流行している探索アプリ「Randonautica(ランドノーティカ)」が物議をかもしている。使用中に遺体を発見するというショッキングな事件も発生した、このアプリに潜む危険性とは?(フロントロウ編集部)

アプリの使用中に遺体を発見する事件が発生

 2020年6月、10代の子供たちがとあるアプリで遊んでいたところ、遺体を発見したという衝撃の事件がアメリカで発生した。

 事件が発生したのはアメリカのシアトルで、10代の友人同士が遊んでいたところ、黒いスーツケースを発見。後に、スーツケースの中に遺体が入っていたことが明らかになった。当時スーツケースを発見した映像はTikTokでも公開され、波紋が広がった。

画像: @ughhenry/TikTok

@ughhenry/TikTok

「ランドノーティカ」って?

 この時、子供たちが使用していたのは「Randonautic(ランドノーティカ)」というアプリで、現在、ティーンの間で流行しているものだという。アプリの公式サイトでは「ランドノーティカ」について、「周囲の世界を冒険に変えてくれる」と説明されている。

画像: www.randonautica.com
www.randonautica.com

 「ランドノーティカ」は、ユーザーの周囲に位置する、車で10分以内の距離にあるランダムな座標を指定し、ユーザーたちがアプリで指定された座標を目指すというもの。ユーザーたちは、ゴール地点に到達するまでに、何かしらの目的や目標を定めることを奨励される。目標は、「子犬を見つける」や「真実の愛を見つける」など何でもよく、例えば、「虹を見る」という目標を設定した探索の途中でレインボーカラーの看板を発見するなど、偶然の出会いを楽しむことを目的としている。

 米Bustleによれば、「ランドノーティカ」は新型コロナウイルス禍でブームになっており、ここ数週間で100万人以上のユーザーがこのアプリをダウンロードしたという。

「ランドノーティカ」の何が問題?

 しかしながら、「ランドノーティカ」がもたらしたのは、新しい場所を探索できる楽しみというポジティブな側面だけでなく、ネガティブな影響ももたらしているという。

 第一に、新型コロナウイルスが完全に収束していないにもかかわらず、複数人で集まってこのアプリを楽しんでいるということ。加えて、生成される座標がランダムであるために、道中で不法侵入するという事例も報告されているという。

 また、米WIREDによれば、「ランドノーティカ」の共同開発者は今年6月にアプリの使用中に遺体が発見されたことについて「偶然」だとコメントしている一方で、SNSには他にも、「ランドノーティカ」の使用中に不気味な場所へ案内されたことを報告する動画が多数アップされている。

 あるユーザーは、「ランドノーティカ」に人気のない場所へ導かれ、不気味な家を発見したと報告。

@es_dons

I deleted the ##randonautica app after this ##randonauting ##creepy ##scary ##fyp @adrenalineaddiction

♬ original sound - es_dons

 また、別のユーザーも探索中に不気味な廃墟を発見したことを報告している。

 もちろん、これらの目的地に導かれたのは偶然だろうけど、見知らぬ土地を探索することに危険が伴うことには変わりない。「ランドノーティカ」は注意事項として「建物の所有者に敬意を払うこと」「不法侵入は禁止」「危険なエリアには立ち入らないこと」と記しているものの、最終的にはこれらを遵守するかはユーザーの判断に委ねられている。

 さらにTikTokではランドノーティカにまつわる不気味な話がバズるため、いいねや視聴数を狙って、無理な行動を取るティーンが増えるのではないかということも心配されている。

 「ランドノーティカ(Randonautica)」はここ日本でも使用できるものの、使う場合には法律を遵守し、十分に注意した上で使っていただきたい。(フロントロウ編集部)

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