新型コロナウイルスの影響で延期になっていたフォーミュラー1(F1)のレースが開幕。ドライバーたちは開幕戦で人種差別と闘う意思を見せた。(フロントロウ編集部)

F1ドライバーがとった行動とは?

 毎年3月末から開幕戦が行なわれ、11月までほぼ毎週のように行なわれる自動車レースの最高峰フォーミュラー1(以下F1)が、新型コロナウイルスの影響で開幕が約4ヵ月遅れるもついにオーストリアからスタート。

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 しかし、開幕戦決勝レース開始前にはいつもとは違う光景が見られた。サーキット上に現われた選手は、それぞれチームのトラックスーツを着るのが当たり前だったけれど、この日は黒人差別に抗議するための運動ブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)や、差別は終わらせよう(EndRacism)と描かれたTシャツを着用して登場。

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 そして、元NFL選手のコリン・キャパニックが、試合前の国家斉唱の際にひざまずき、黒人への人種差別に平和的に抗議するための象徴的なジェスチャーとなっている「Take a knee(テイク・ア・ニー)」を6度の世界チャンピオンで唯一の黒人ドライバーであるルイス・ハミルトンを筆頭に、14名のドライバーが行なった。

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 しかし、6人のドライバーたちは、人種差別に抗議するTシャツを着用していたものの、ヒザをつくことはなく、立ち尽くしたままだった。その6人のうちの1人であるフェラーリのドライバー、シャルル・ルクレールは、「一部の国で物議をかもすと見なされる可能性があるジェスチャーより、日常生活の中での事実と行動が重要だと信じている。僕はひざまずかないけれど、これは他の人より人種差別との闘いに熱心に取り組んでいないという意味ではない」とツイートし、レッドブルのマックス・フェルスタッペンも「僕は平等と人種差別との闘いについて熱心に取り組んでいる。けど、みんなが自分に合ったそれぞれの方法で自分を表現する権利を持っていると信じている。今日はひざまずかないけれど、すべてのドライバーが決めたそれぞれの選択を支持してリスペクトする。#WeRaceAsOne(#我々は一丸となってレースする)#EndRacism(#人種差別を根絶しよう)」と、日々の生活の行ないで示すことの方が大切と、テイク・ア・ニーをしなかった理由をツイッターに書き込んだ。

 一方で唯一の黒人ドライバーでブラック・ライヴズ・マター運動について積極的に参加してきたルイスは、「今日は僕にとって、そして変化のために働き、変化を望むすべての人々にとって重要な瞬間だった。より平等で公正な社会のために。僕はメディアや他のところで批判されるかもしれないけれど、これは平等のための闘いで、政治やプロモーシ ョンではない。僕にとって今回の出 来事は、F1がより多様的で包括的なものになるために進化する、感動的で刺激的なチャプターだった。僕は僕らの世代や、その後の世代の未来をより良くしたい。まだやらなければいけないことがたくさんある。誰も完璧ではないけれど、もしみんなが参加して自分自身にできることをしたら、変化が見える。僕はそうなることを本当に信じている。今週末、素晴らしいサポートとハードワークをしてくれた私のチームに感謝し、サポートしてくれたすべての人に感謝する。みんな頑張っていこう。また来週」と、自身のインスタグラムで気持ちを述べた。

 ルイスが所属するメルセデスは、ブラック・ライヴズ・マターへの支援を積極的に行っており、マシンやレーススーツの色をシルバー・アローと呼ばれるシルバーベースのものから、今シーズンはブラックへ変更。

 スポーツ界では、F1だけではなくサッカー界でもプレミアリーグの選手たちが「Black Lives Matter」という文字がプリントされたユニフォームを着用し、人種差別に抗議する運動に賛同。7月下旬からシーズンがスタートする予定のメジャーリーグでも何らかの行動が取られるのではと予想されている。(フロントロウ編集部)

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