アヴェニュー・ビートがリリースした「F2020」と題された楽曲が、2020年の雰囲気を見事に表しているとしてTikTokで話題になっている。(フロントロウ編集部)

「F2020」がヒット

 「2020年なんてクソ」と歌う楽曲が今、TikTokで話題に。米ナッシュヴィル出身のトリオであるアヴェニュー・ビート(Avenue Beat)がリリースした「F2020」が、2020年に漂う重苦しい雰囲気を見事に表現しているともっぱらの評判になっている。

 「12月31日、私はビールを吐くまで飲んで、『2020年は私の年になるよ』って宣言した」というフレーズから始まるこの楽曲で、アヴェニュー・ビートは希望の年になると思っていた2020年に対して、「2020年なんてクソ食らえ」と静かに歌い上げている。

「正直、最初はそうなると思ってた
このクソみたいな1年に、1ヶ月か2ヶ月を与えるまでは
今となっては、もう馬鹿馬鹿しくなってきた
飼ってたネコは死んじゃったし、世界的なパンデミックが人生を支配してる
リリースした音楽は誰も気に入ってくれないし
悲しさと退屈さに同時に襲われてる
だから私は静かに

2020年なんてクソ食らえ
まだ悲しいし、お金は今もない
手首には腕時計なんてついてないし
やらなきゃいけないこともたくさん
静かに、2020年なんてクソ食らえ
他のみんなのことは知らないけど
私はもうウンザリ
2021年に行ってもいい?」

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大などに言及しながら、2020年がここまでいかに最悪だったかをひたすら静かに嘆くこの楽曲は、リリースされるや否やTikTokを中心にティーンの間で話題に。

TikTokで一度削除される事態も

 アヴェニュー・ビートが米Forbesに明かしたところによれば、彼女たちは当初、曲が未完成の状態で「F2020」を自分たちのTikTokにアップしたそう。新型コロナウイルスの感染拡大や、オーストラリアで発生した大規模な森林火災、東京オリンピックの延期、Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)などの2020年に起きた暗いニュースの映像の数々を背景に作られたこの映像は、瞬く間に話題に。

 「それで、(アップした)翌朝に起きたら、450万回も再生されてたの。衝撃だった」とメンバーのサバンナ・サントスは米Forbesに明かしている。

@avenuebeat

day 1 of tryna get this song we wrote to pop off so our manager will let us release it lol heLP ##avenuebeat ##originalsong ##fktrump ##blm ##viral ##2020

♬ lowkey fk 2020 avenue beat - avenuebeat

 しかしながら、動画はすぐにTikTokから削除されてしまったよう。「気がついたか分からないけど、このビデオでは何度も罵っているからね」とサバンナ。「2020年なんてクソ(Fuck 2020)」と繰り返し歌うサビをはじめ、放送禁止用語を多く含んでいたために、TikTokからは取り下げられてしまったのだそう。

 とはいえ、一晩にしてユーザーたちの心を掴んだ「F2020」の勢いが収束することはなく、アヴェニュー・ビートやユーザーらは、他のアカウントや、インスタグラムなどの他のSNSにどんどん「F2020」の動画をアップしていったそう。その経緯は明らかになっていないものの、現在ではTikTokでも「F2020」の動画が復活している。

さらには、注目の新曲を集めたSpotifyのプレイリスト「New Music Friday」や、同じく注目の楽曲を集めたApple Musicのプレイリスト「ブレイキング:ポップ」「フューチャー・ヒッツ」などにも選出されるなど、「F2020」の輪は、ブレイクのきっかけとなったTikTokを超えて広がってきている。

 2020年に漂う悲観的な雰囲気を見事に表現したその後ろ向きな歌詞だけでなく、それを絶妙に反映したテンポやリズムも話題の「F2020」。リリックビデオも公開されているので、歌詞と合わせてチェックしてみて。

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.