夏のマスク事情
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マスクの着用が推奨されている昨今。混雑する電車やバスなどの公共交通機関だけでなく、夏の風物詩である海水浴やプール、公園でのピクニックなどでもマスクを着用する人が増えている。
しかし、日差しがまぶしい夏の季節にマスクを着用するようになって、息苦しさのほかにも新たな問題が浮上。それは、マスクの日焼け跡が残ってしまうこと。
この問題について、認定皮膚科医のアヴァ・シャンバン医師は「スキーのゴーグル焼けと同じ原理ね」と米メディアAllureでコメント。
彼女の言う、スキーのゴーグル焼けとは、ゴーグルをつけていない顔の下半分だけ日焼けしてしまうこと。いくら日焼け止めを塗っていても、布で覆われていない顔の下半分は日焼けしやすく、ゴーグルの跡がくっきり白く残ってしまうことが多いそう。
そして、これと同じ現象がマスクを着用する際にも発生するという。同じく認定皮膚科医のジェシー・チュン医師は「ほとんどのマスクは、UPF30(※)ほどある」と話し、たとえ顔全体に日焼け止めを塗っていても、布で覆われている部分と露出している部分では、どうしても肌のトーンに違いが出てしまうと説明。
※ UPFとは…紫外線遮蔽率。繊維製品が日焼けを防ぐ指数のこと。
だからといって、マスクの日焼けを防ぐ方法がないわけではない。海外の専門家たちがマスクの日焼け跡を防ぐコツとアフターケア方法を紹介した。
1.マスクをしていても日焼け止めは塗るべき
マスクにも紫外線を防ぐ効果があるからといって、日焼け止めを塗ることを完全にやめてしまうのはNG。「太陽からの肌を守るためには、日焼け止めを塗るのが1番」とチュン医師は言う。それよりも問題なのは、マスクの湿度や摩擦で日焼け止めが取れてしまうこと。
とくに、クリームやローションタイプの日焼け止めは取れやすいそうで、シャンバン医師は「マスクの下に塗るときは、スティックタイプまたは速乾性のあるスプレータイプの日焼け止めを使って」とアドバイスした。
また、シャンバン医師は「日焼け止めのほかにも、紫外線防止レンズ付きの特大サングラスをかけるのも効果的」と助言。さらに、顔全体に日陰を作るつばの広い帽子を被れば、マスクの日焼け跡を最小限に抑えることができるとも明かした。
2.日焼けしたら、アフターケアが勝負
しかし、いくら気をつけていても、うっかり日焼けしてしまうこともあるはず。そうなった場合、最も重要なのはそのまま放置しないこと。プロいわく、すぐにアフターケアをすることが何よりも大切だという。
皮膚科医のゲイリー・ゴールデンバーグ医師によると、真っ先に行なうべきは冷やすこと。
冷たい水で濡らしたタオルや布で包んだ保冷剤を患部に当ててクールダウン。日焼けは軽いやけどと同じなので、すぐに冷やすことで炎症や痛みを和らげてくれるそう。
少し肌の赤みが引いてきたら、今度はたっぷりの化粧水でしっかりと保湿。日焼けによる炎症を和らげるアロエベラ、大豆、カラミンなどが含まれている化粧水を選ぶのがオススメだとゴールデンバーグ医師は言う。
肌が落ち着いてきたら、肌の将来のためにも美白ケアを徹底すること。シミや日焼けへの効果が期待できるビタミンC、アルブチン、トラネキサム酸などの配合した美白化粧品を使って、早め早めの対策をすることも忘れずに。
マスクの日焼け跡のほかにも、もうひとつ気をつけたいのが「熱中症」。こまめに水分補給をし、息苦しい場合は、周りの人と一定の距離をとりながら、適度にマスクを外すよう心がけて。(フロントロウ編集部)