DCコミックスのヴィランであるジョーカーの恰好で迷惑行為を行ない逮捕された男は、過去の事件の殺人犯だった。(フロントロウ編集部)

ジョーカーの恰好をした男が逮捕

 オーストラリアのパースで、DCコミックスの悪役として有名なキャラクターであるジョーカーの恰好をして迷惑行為をしていた男が逮捕された。男は緑色の髪の毛、ピエロのメイク、紫のコート、柄物のネクタイを合わせた格好で、CCTVカメラに落書きをしていた。男は、その落書きはパフォーマンスアートの一部であり、落書きは後で拭き取ろうと思っていたと話しているが、器物損壊と公務執行妨害で罪に問われている。逮捕された際には、男は大声をあげて笑っていた。

 パフォーマンスは、政府による軍への投資に反対するプロテストだったと主張しており、男はレポーター達に対して、「俺達はアートをして、それを楽しいものにして、人々を幸せに、そして笑顔にする。最高だろ」と話す。

 しかし彼は、過去に殺人を犯して有罪になっていたことが明らかになっている。2006年に盗難車を運転していた男は、道端にいた10代の若者グループに突っ込んだ。それによって17歳の少年1人が死亡し、6人の若者がケガを負っている。

 男は2週間以内に、ふたたび裁判所に出廷する予定。

ジョーカーの恰好をした犯罪者は他にも…

 ジョーカーの恰好で犯罪を行なう人物は、過去にもたびたび出現している。

 2018年には、ジョーカーのメイクをして元恋人の家を訪れ、殴る蹴るの暴行をした後、女性の意識がなくなるまで首を絞めた男が逮捕された。男は警察による逮捕写真にも、ジョーカーのメイクをしたまま写っている

 また、2020年6月には、アメリカで行なわれていたBlack Lives Matter運動の騒ぎに乗じて、ジョーカーのマスクをした男が警察のパトカーに放火。その後、首元に入っていたタトゥーがヒントとなり、男の身元が割れて逮捕された。

 ジョーカーを犯罪に利用する人がいる一方で、平和的にメッセージを伝えるために利用する人もいる。2019年の映画『ジョーカー』で主演を務めたホアキン・フェニックスは、ジョーカーが数多くの物語の中で描かれることについて、こう意見を述べている。

「多くの人は、正しいことと間違ったことの違いが分かる。そしてそれが出来ない人は、どのようなものからでも自分たちの受け取りたいように解釈するだろう。音楽の歌詞を誤解したり、本の文章を誤解したり。だから私は、映画制作者たちにモラルや、正しいことや間違っていることの違いを観客に“教える”責任があるとは思わない。それは明白なことだと思う。もし誰かが精神のバランスを崩していたら、彼らはどこからでもキッカケを見つけられると思う。そう考えるべきじゃないよね。ただ言えることは、なにが人のキッカケになるかは分からないってこと」

(フロントロウ編集部)

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