DCコミックス最大のオンラインイベントDCファンドーム(DC FanDome)で行なわれたトークセッション『DCユニバースの有色人種の女性たち』。この中で、テレビや映画におけるレプリゼンテーションが大きな議題となった。(フロントロウ編集部)

DCEUの多様性をリードする女性たちが登場!

 オンラインで行なわれるアメコミの祭典DCファンドーム(DC FanDome)にて、DCコミックスが原作のテレビドラマや映画に出演する有色人種の女性たちによるトークセッション『DCユニバースの有色人種の女性たち』が配信。

 パネリストはこちらの8人の女性たち。

  • ミーガン・グッド(『シャザム!』)
  • ジャヴィシア・レスリー(『バットウーマン』)
  • キャンディス・パットン(『THE FLASH/フラッシュ』)
  • タラ・アッシュ(『レジェンド・オブ・トゥモロー』)
  • ナフェッサ・ウィリアムズ(『ブラックライトニング』)
  • シャンタル・トゥイー(『ブラックライトニング』)
  • アンナ・ディオプ(『タイタンズ』)
  • ダマリス・ルイス(『タイタンズ』)
画像: DCEUの多様性をリードする女性たちが登場!

 BAWSEという概念について話したり、スーパーパワーが実際あったら何をするかという質問に各自が答えたりと、和気あいあいとしたムードで進んだトークでは、「レプリゼンテーション」がたびたび議題にあがった。

映像界の重要課題、レプリゼンテーションとは

画像: 映像界の重要課題、レプリゼンテーションとは

 「表現」や「代表する」という意味があるレプリゼンテーション(representation)は、テレビや映画といったエンタメ業界においては、世界中に存在する多種多様な人々を適切に表しているか・描いているかということに対して使われる。

 例えば白人男性ばかりが登場する作品だったら、女性や有色人種のレプリゼンテーションが低いということになる。さらに、女性が多く登場するドラマであっても、古いステレオタイプにハマった役ばかりであったら、女性のレプリゼンテーションは低い。

 スーパーヒーロー映画の中で女性ヒーローのレプリゼンテーションが低い場合は、自然と「ヒーロー=男性」というイメージが強くなり、幼い女の子たちが「自分もヒーローになりたい」と想像する可能性を減らしてしまう。これは、対象がLGBTQ+や障がい者など、誰であっても一緒。エンタメ界は人々の考えに大きなインパクトを与えるからこそ、近年、映像におけるレプリゼンテーションが重要視されている。

DCEUの女性たちにとってレプリゼンテーションとは

 DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)に登場する8人の有色人種の女性たちが参加したトークセッション『DCユニバースの有色人種の女性たち』では、BIPOC(黒人・先住民・有色人種※)の視聴者にとって自分と同じような見た目のヒーローがいること、つまりレプリゼンテーションがあることがどれだけインパクトを与えるかということについて参加者たちが激論した。

※BIPOC:Black, Indigenous, People of Colorの略。

画像: DCEUの女性たちにとってレプリゼンテーションとは

 ドラマ『レジェンド・オブ・トゥモロー』でイスラム教徒のスーパーヒーローであるザリを演じたタラ・アッシュは、「レプリゼンテーションは本当に重要。多くのブラウンスキンの子供たちが私を見て『ワオ!視野が開けた。可能性が広がった』と思えると同時に、ムスリムアメリカンに一生出会わないような国の人々にも見てもらえる。キャラクターを通して彼らにも共感してもらえたら、私たちはやり遂げたと思える」とコメント。

 ちなみに『レジェンド・オブ・トゥモロー』では、その大きな責任を果たすために、ムスリムアメリカンのライターが制作に参加。それによって、他者が持つムスリムアメリカンのステレオタイプを表現するのではなく、当事者目線のリアムな描き方ができるため、スクリーン上だけでなく制作側でも多様性を取り入れることの重要さがわかる。

画像: タラ・アッシュ(『レジェンド・オブ・トゥモロー』)

タラ・アッシュ(『レジェンド・オブ・トゥモロー』)

 ドラマ『ブラックライトニング』で史上初の黒人のレズビアンのスーパーヒーローを演じるサンダー役のナフェッサ・ウィリアムズは、「映画やテレビで自分自身を重ねられるビジュアルを見られてこなかった黒人のレズビアンたちのことを考える」としたうえで、「彼女たちからの反響を聞いて(レプリゼンテーションの)大切さを本当に実感した」とコメント。そして、ある女性ファンに泣きながら「サンダーを見て、レズビアンである自分が普通な存在なんだと思えるようになった」と言われたことが強く記憶に残っていると明かした。

画像: ナフェッサ・ウィリアムズ(『ブラックライトニング』)

ナフェッサ・ウィリアムズ(『ブラックライトニング』)

 ドラマ『THE FLASH/フラッシュ』でアイリス・ウェストを演じるキャンディス・パットンは、ある母親から言われたことを回想。「娘さんが私のキャラクターを見ていたらしんだけど、『ママ、この人とてもビューティフル。私もこんなにビューティフルってこと?』と言ったらしいの」と、自分の役が与えている影響の大きさを実感したエピソードを明かした。

画像: キャンディス・パットン(『THE FLASH/フラッシュ』)

キャンディス・パットン(『THE FLASH/フラッシュ』)

 また、自身が受けたレプリゼンテーションの恩恵を明かした人も。ドラマ『ブラックライトニング』でグレース・チョイを演じるシャンタル・トゥイーは、マギー・チャンやサンドラ・オーといった、アジア系の先輩俳優たちにインスパイアされてきたと発言。アジア系のレプリゼンテーションが低いと言われるハリウッドにおいて先駆者となったマギーやサンドラが、後からくる俳優たちに希望や勇気を与えてきたことが感じられた。

画像: シャンタル・トゥイー(『ブラックライトニング』)

シャンタル・トゥイー(『ブラックライトニング』)

 このほかにも様々なテーマが語られた『DCユニバースの有色人種の女性たち』フルバージョンは、日本時間9月13日に開催予定のDCファンドーム第2弾「DCファンドーム:ディスカバー・マルチバース」のDCウォッチバース内、マクダフィーズ・ダコタで配信される。(フロントロウ編集部)

DCファンドーム:ディスカバー・マルチバース

(フロントロウ編集部)

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