エミー賞が生配信されることが決定
アメリカのテレビ界で最も権威あるアワードのひとつであるエミー賞は、2020年で72回目を迎え、日本時間9月21日に開催される。2020年のエミー賞は、ジミー・キンメルが3度目の司会を務めることに。
7月末にはノミネート作品が発表され、ドラマ部門では『ウォッチメン』が26部門と最多で、『マーベラス・ミセス・メイゼル』が20部門、『オザークヘようこそ』と『キング・オブ・メディア』が18部門、『マンダロリアン』と『サタデー・ナイト・ライブ』、『シッツ・クリーク』が15部門となっている。
本来であれば、実際の会場で開催される予定だったものの、新型コロナウイルスの影響によりオンラインで行なわれることに。新型コロナウイルスのパンデミックにより、大勢の人が一堂に会することはタブーとされていたため、これまで何度かアワードがオンラインで行なわれたけれど、ほとんどが事前に収録していたものを放送に合わせて流していた。しかし、エミー賞はオンライン上の授賞式は収録されたものしか流せないという概念を打ち破り、すべて生中継で行なわれるという。
エミー賞のエグゼクティブ・プロデューサーであるレジナルド・ハドリンはオンラインでのエミー賞の開催にあたり、「1つはクルーが新型コロナウイルス下での安全なルールのもと働くことができ、お互い適切な距離にいることができるのが大きい。最も重要なのは安全第一ということ。2つ目は、このショーは中でも外でも信じられないほど多くの配線の接続が必要。なぜなら、候補者はそこ(会場)に行かないからね。だから僕たちは、候補者がいるところにカメラを持って行くつもりなんだ。また、必要なフィードの数が非常に多いため、スポーツをカバーするレポーターによって多くの信号の入力・出力があるステープルズ・センターのような施設が必要となる」と、いかに生中継のアワードが大変かを米Varietyに明かした。
また、ラップトップや電話、Skype、Facetime、Zoomなどのプラットフォームを使うのではなく、カメラを使うことにこだわっており、「ズーミー(Zoomでのアワード)を作りたいのではなく、エミーを作りたいんだ。だから私たちが行なおうとしていることの1つは、その人がどんなレベルの快適さにいようと関係なく、どこにでも最高のキットを揃えて届けるということ。私たちにとって最良のことは、誰かの家などどこにでも、高性能なカメラを用意することなんだ。それを操作する人と共にね。それが私たちの出発点だ」と、140人もの受賞候補者それぞれのカメラが用意されることを語った。
エミー賞を生放送するにあたっては、受賞者が受賞スピーチを行なう時、トロフィーをどのようにして渡すかなど、まだまだ取り組まなければならないことが多いよう。
エミー賞の授賞式の開催まであと1ヵ月ほど。当日はクルーたちの集大成となる生放送でのアワードが、どのように世界中に届けられるのかにも注目したい。(フロントロウ編集部)