DCコミックスで2016年から連載されているコミック『バットマン』の最新話#98で、ジョーカーがハーレイ・クインを必要としている理由が、ハーレイによって明かされた。(フロントロウ編集部)

※この記事には、コミック『Batman #98』(2016-)のネタバレが含まれます。

DCコミックスの人気キャラ、ハーレイ・クイン

 ハーレイ・クインはアメリカの出版社、DCコミックスのキャラクター。同社の人気ヒーロー『バットマン』の世界に登場する、破天荒で天真爛漫な性格のヴィラン。

画像: 映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』より ©︎ 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』より ©︎ 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

 初めてハーレイが登場したのは、1992年に放送されたアニメ『バットマン』。その後、キュートなキャラクターが大人気となり、コミック版へと逆輸入。登場した頃は、中世の道化師のように肌を真っ白く塗った全身タイツのピエロ姿だったけれど、現在はギャル風の服装で描かれることが多い。

 実はハーレイは、登場した頃と現在では、設定が少し異なっている。その理由は、彼女が活躍するDCコミックスが2011年に大規模なリニューアルを行なったから。『New52』と名付けられて始まったその大改革で、これまで続いてきた設定や繋がりは一度全てキャンセルされ、キャラクターのデザインや背景が変更に。「ジョーカーと恋人関係」であるとみなされることの多いハーレイは、2011年以降のコミックスでは、ジョーカーとは別行動をとっていることが多い。

画像1: ©︎DCcomics

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 そんなハーレイは、2016年から連載されているコミック『Batman』の最新話で、ジョーカーが自分に依存させる相手を必要としている理由を明かした。

ジョーカーがハーレイを必要としている理由

 破天荒でふざけた印象が強いハーレイだけれど、ジョーカーと出会うまでは「アーカム・アサイラム」という精神病院で働いていた精神科医で、元の名をハーリーン・クインゼルという。

 彼女は1994年5月23日放送のアニメ『バットマン』の『ハーレイの恋の行方(Harlequinade)』という回で、ジョーカーを好きになった理由を、「ジョーカーの担当医になったことにより退屈な精神科医としての毎日から救われ、興奮と笑いの人生を与えられたから」だと言っていた。

 精神科医であることを退屈だとは言ったものの、ハーレイも人間の精神を学んできた医者の1人。そんな彼女はコミック『Batman』の最新話で、ジョーカーが、ハーレイやコミック版でハーレイの後釜としてジョーカーの相棒的存在になった女性パンチラインのようなサイドキックを必要としている理由について、興味深い考察を述べた。

画像2: ©︎DCcomics

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 ハーレイによると、ジョーカーはバットマン以外は、ハーレイを含め誰も愛したことがない。彼が唯一愛するのはバットマンだけで、ジョーカーの行動は、全てダークナイト(バットマン)への執着によるものだという。

 ジョーカーがハーレイやその他のトリッキーなキャラクターを仲間に加えるのは、ほかでもないバットマンが、ナイトウィングなどと共に「ファミリー」を形成しているから。つまり、ジョーカーはバットマンを真似て同じような「ファミリー」を作るために、仲間を迎え入れていたのだった。とはいえ、ジョーカーは人間関係を理解できる人物ではない。そのため、形ばかり真似ているだけで、実際には“ファミリー”のような関係は築けない。

 ちなみにこの、「ジョーカーがバットマンを気にしているがゆえに真似している」という考え方は、古くから一般的には「防衛規制」と呼ばれるものだと考えられる。これは、受け入れがたい状況で起こる不安を軽減しようとする心のメカニズム。ちょっとした意見にもこういった専門知識が取り入れられているのは、さすがハーレイ。けれども、ジョーカーのそんな自分勝手な理由は、ハーレイには受け入れられなかったよう。

 現在連載で描かれている『Batman』の『Joker War編』では、ジョーカーたちの執着心がそこかしこで描かれている。ちなみに本シリーズのライターであるジェームズ・タイニオン4世は、2020年9月13日に開催されるDCファンドームに出演する予定。(フロントロウ編集部)

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