ブラッド・ピットが豪華セレブ集結のチャリティ企画に参加
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞のほか、数々の権威ある映画アワードで助演男優賞を獲得した俳優のブラッド・ピットが、コメディ俳優デイン・クックが主導したチャリティ企画『Virtual Table Read for CORE(バーチャル・テーブル・リード・フォー・コア)』に参加した。
当初、8月に生放送される予定だったものの、技術上の問題を理由に、9月17日に延期となった同企画は、俳優のショーン・ペンが設立したチャリティ団体「コア(CORE)」と、司法制度改革を目指す非営利団体「リフォーム(REFORM)」が行なっている新型コロナウイルス救援活動を資金面でサポートすることが目的。
ブラッドやショーンのほかにも、デイヴの声掛けにより、モーガン・フリーマン、ジュリア・ロバーツ、マシュー・マコノヒ―、レイ・リオッタ、シャイア・ラブーフ、ヘンリー・ゴールディングといった錚々たるハリウッドの名優たちや、EGOT(※)獲得者でシンガーのジョン・レジェンド、人気テレビ司会者のジミー・キンメルがリモートで集結し、1982年公開の青春コメディ映画『初体験/リッジモント・ハイ』の名シーンのテーブル・リード(脚本読み合わせ)を行なった。
※エンタメ界最高峰の4つのアワード、エミー賞(E)、ゴールデン・グローブ賞(G)、アカデミー賞、通称“オスカー”(O)、トニー賞(T)を合わせた呼び方
元妻とめちゃくちゃ“気まずいシーン”を演じる
豪華キャストのなかに、もう1人含まれていたのが、ブラッドが2000年から2005年まで結婚していた元妻でドラマ『ザ・モーニングショー』の俳優ジェニファー・アニストン。
ブラッドとジェニファーといえば、パンデミックが深刻化する前の1月に行なわれたSAGアワード(全米映画俳優組合賞)の舞台裏で、15年ぶりに2ショットを披露したことで世間を熱狂させたが、今回のテーブル・リードでの久々の共演も企画が告知された時点から待望視されていた。
テーブル・リードの題材となった映画『初体験/リッジモント・ハイ』は、高校生たちの恋愛はもちろん、性の目覚めやセックスに関して赤裸々に描いたコメディ作品。
そんな同作をリモートで演じるにあたり、ブラッドに割り当てられたのは、“ブラッド”という役名の苦節男子高校生の役。そして、ジェニファーに与えられたのは、“ブラッド”がひそかに憧れる、早熟な女子高生“リンダ”の役だった。
ブラッドとジェニファーは、“リンダ”がバスルームで自慰行為をしている“ブラッド”に遭遇してしまうという超気まずいシーンにも挑戦。
“ブラッド”が“リンダ”の裸を想像しながらマスターベーションをしていたところ、そこに本人が登場してしまうという場面で、“ブラッド”の妄想のなかで“リンダ”が「ハーイ、ブラッド。私、ずっと、あなたってキュートだなって思ってたの」、「あなたってとてもセクシー。こっちへ来て」と誘惑し、着ていたビキニを脱いでトップレスになるシーンも含まれている。
妄想シーンでは、ブラッド演じる“ブラッド”のセリフはないが、ナレーターをつとめたモーガンがストーリーを読み上げるあいだ、ジェニファーは時折、気まずそうな表情を浮かべながらも、“リンダ”になりきり見事に演技。
ブラッドは、首を横に振ったり、照れ臭そうに笑ったりしながら、モーガンのナレーションとジェニファーのセリフに耳を傾けていた。
妄想シーンが終わって、現実に戻り、自慰を見られてしまった“ブラッド”が、「ちょ、ちょっと待って!」と、慌てふためき、そして「どうして、みんなドアをノックしないんだ!?」と苛立ちを見せるシーンでは、ブラッドは男子高校生らしいナイーブな演技で、さすがオスカー俳優な実力を見せつけていた。
ブラッドとジェニファーの共演シーンは下の動画で見ることができる(該当シーンは37分10秒あたりから)。
テーブル・リードに参加していたキャストたちも、元夫婦のブラッドとジェニファーが、とんでもなく気まずいシーンを演じているという事実に、ニヤニヤを堪え切れない様子で、ジミーに至っては、モーガンのナレーション中に声を出して笑ってしまっていた。
ちなみに、ブラッドは、今回の企画に参加するにあたり、劇中に登場するファストフード店の店員の帽子や海賊の帽子といった小道具まで自分で用意するという気合いの入れようだった。
『初体験/リッジモント・ハイ』は、今となっては、2度のアカデミー賞主演男優賞受賞歴があるショーンがドラッグでハイになってばかりのサーファー、ジェフ・スピコリをコミカルに演じた作品。
ショーンは、今回のテーブル・リードでは別の役を演じ、彼に代わってシャイアがジェフを演じたのだが、憑依型の演技で知られるシャイアは、リモートの脚本読みにもかかわらず、“ジェフ感”を演出するため、1人だけデスクの前ではなく、ガレージに駐車した車の中から演技。
読み合わせ開始前から、すっかり役に入り込み、リアルでコミカルな演技を見せたシャイアに、ショーンやブラッドたちも魅了された様子で吹き出していた。
合計で1時間ほどと、長めの動画ではあるものの、名だたる実力派俳優たちによるテーブル・リードは、やはり見ておいて損はない。興味がある人は、ぜひ全編視聴を。(フロントロウ編集部)