ジョニー・デップ、「ハリウッド・セレブ」とは呼ばれたくない
「ハリウッド・セレブ」という言葉を聞いて、あなたが連想する人物は誰だろうか? 現在も第一線で活躍している男性セレブで言えば、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、そして、ジョニー・デップという“御三家”の顔を思い浮かべる人もきっと多いだろう。
しかし、映画の聖地ハリウッドで数々の作品を成功へと導き、世界中の人々に「ハリウッド・セレブ」の1人として認識されているとしても、ジョニーにとっては、この特定のカテゴリに分類され、レッテルを貼られることは、とても不快なことのよう。
スペインで開催されたサン・セバスティアン国際映画祭で、自身がプロデュースを手がけた映画『Crock of Gold: A Few Rounds With Shane MacGowan(原題)』(以下『Crock of Gold』)のプレス・カンファレンスに参加したジョニーは、なぜ、「ハリウッド・セレブ」と呼ばれることを嫌うのかを明かした。
『Clock of Gold』はジョニーの友人であり、イギリス発のパンク・ロックバンド、ザ・ポーグス(The Pogues)のフロントマンであるシェイン・マガウアンの軌跡を追ったドキュメンタリー作品。
シェインは大のセレブ嫌いとして知られており、ハリウッドのメインストリームで活躍する、いわゆる“スター”と呼ばれる人たちに反感を持っているが、シェインはジョニーのことは特別視しており、友人として信頼している。
そのことについて話題が及ぶと、ジョニーは「まず、自分自身を“ハリウッド・セレブ”だとは決して考えないことが一番重要。それは死を意味するし、グロテスクだ」という独特な言い回しで、「ハリウッド・セレブ」と呼ばれることを嫌悪していることを告白。
さらに、長い間をとって、考えを巡らせてから、その理由をこう説明した。「僕はいつも、勤勉で自分らしさを保ち続けている人に惹かれるから」。
演技だけでなく、音楽活動や絵画などにも情熱を注いでおり、ただ単に役者というよりも、“芸術家”や“表現者”としての意識が高いと言われるジョニー。
“役者”という枠組みだけに括られるのは窮屈で、しかも「ハリウッド・セレブ」というカテゴリに一緒くたにされるのは嫌なよう。さらに、ジョニーが説明した理由からは、彼がこれまでに出会ってきた「ハリウッド・セレブ」と呼ばれる人たちは、彼が理想とする生き方とは逆で、“勤勉ではなく、自分らしさを失ってしまっている”人が多かったとも受け取れる。
同じ記者会見で、ジョニーは、数ある有名映画祭の中でも、サン・セバスティアン国際映画祭が気に入っているとコメント。その理由について「このフェスティバルは、一番ハリウッドっぽくないから」と語っており、「サン・セバスティアンは映画や映画制作者、映画に携わる人たちのための真の映画祭だと思っている。それは奇跡みたいなことだ」と、含みのある言い方で、ハリウッドを敬遠している様子もうかがわせた。(フロントロウ編集部)