大人気のシンデレラストーリー
アン・ハサウェイの映画デビュー作であり、アンを一気に人気俳優にした2001年の映画『プリティ・プリンセス』。アメリカのサンフランシスコで芸術家の母と2人暮らしをしていたミアが、突然自分は王女であることを知らされ、自分の周りの環境が変化するなかで努力する様子を描いたキュートな物語。
監督を務めたゲイリー・マーシャルは、映画『プリティ・ウーマン』や『ニューイヤーズ・イヴ』などのロマンティック・コメディを得意とした人物。2016年に81歳で他界したものの、現在も多くのファンから愛されている。
そんなゲイリー監督が『プリティ・プリンセス』を作った理由とは?
『プリティ・プリンセス』と『プリティ・ウーマン』が似ているワケ
ゲイリー監督は双子の孫娘、リリーとシャーロットをとても可愛がっていたことで知られている。
例えば主演のアンは、監督の孫娘たちがオーディションテープを見て、「アン・ハサウェイが一番お姫様のような髪だから起用したほうがいい」とコメントしたから採用された。また、劇中にはその幼い孫娘たちをカメオ出演させるなど、たいそうな溺愛っぷり。
そんな孫LOVEなゲイリー監督が『プリティ・プリンセス』を作った理由は、文字通り、孫のため。2001年に開催された本作のプレミアに参加した監督は、レッドカーペットで米E!に映画について聞かれた際、「孫のために作った」ときっぱりと回答。さらに監督は続けて、『プリティ・プリンセス』は、『プリティ・ウーマン』から大人向けの要素を取り除いて“10代の子供たちのための『プリティ・ウーマン』”にした作品でもあるとコメント。
映画『プリティ・ウーマン』は1990年に公開されたゲイリー監督によるロマンティックコメディで、リチャード・ギア演じるウォール街きっての実業家と、ジュリア・ロバーツ演じるコールガールが、次第に惹かれ合うというシンデレラストーリー。
ウェイター役に同じ俳優が起用されていることやテーブルマナーであたふたする食事シーンの展開など、『プリティ・ウーマン』と『プリティ・プリンセス』にはいくつかの共通点があることで知られているけれど、ゲイリー監督自身が意識して作っていたことはあまり知られていない。そして、『プリティ・ウーマン』は大人が主人公だったけれど、『プリティ・プリンセス』は女子高校生が主人公。まさに、『プリティ・プリンセス』は、10代の子供たちのための『プリティ・ウーマン』として作られたというワケ。
ゲイリー監督は惜しくもこの世を去ってしまったけれど、監督と仲の良かったアンやプロデューサーのデブラ・マーティン・チェイス、女王役のジュリー・アンドリュースは続編の制作について前向きだと米Harper’s Bazaarが報じている。(フロントロウ編集部)