Netflixで配信中のドラマ『エミリー、パリへ行く』で、「セメント」のようなピザとディスられてしまったシカゴに実在するピザレストランがこれに反論した。(フロントロウ編集部)

「セメントでできたキッシュみたい」

 2020年10月2日よりNetflixにて配信がスタートしたオリジナルドラマ『エミリー、パリへ行く』。

 フランスのマーケティング会社にアメリカ人の視点を持ち込む任務を課せられる、シカゴ出身の主人公エミリーをリリー・コリンズが演じる本作は、最先端のファッションやパリジェンヌ風のオシャレなヘアメイクも人気を集めているけれど、シカゴの一部の人たちからは、エミリーのとあるセリフに反発の声があがっている。

 問題視されているのは、シリーズの第1話でエミリーがアーノー・ヴィアール演じるマーケティング会社の創設者ポールと交わした会話のなかのセリフ。

 問題視されているエミリーとポールの会話は以下の通り。

「ポール『昔シカゴにいたことがある。ディープディッシュ・ピザを食べたよ』
エミリー『それは名物です。すごく誇りを持っています』
ポール『セメントでできたキッシュのようだったよ』
エミリー『きっとロウ・マルナティスに行かれたのですね』」

 ここで話題になっているディープディッシュ・ピザとは、エミリーの言う通りシカゴの名物のピザで、“深皿”を意味する名前の通り、底の深い皿で焼き上げる分厚いピザのこと。エミリーが持ち出している「ロウ・マルナティス」というお店も実在するレストランで、シカゴを中心に、アリゾナ州やインディアナ州などで60店舗以上を展開している有名なチェーン店。

画像: シカゴのロウ・マルナティス。

シカゴのロウ・マルナティス。

ピザレストランのオーナーが反論

 コミカルなシーンの一つとしてジョークに落とし込まれたロウ・マルナティスだけれど、「セメントでできたキッシュ」と例えられてしまった当事者たちは納得がいかなかったよう。

 今回、不本意な形で『エミリー、パリへ行く』で名前を出されてしまったピザレストラン「ロウ・マルナティス」のオーナーを務めるマーク・マルティナス氏が反論する声明を発表した。

「私たちは1971年からシカゴの人たちが大好きなディープディッシュ・ピザを提供してきました。Netflixの『エミリー、パリへ行く』の脚本家によって、笑いのためにシカゴの人々と私たちに狙いが定められ、心ない扱いだと感じましたし、このコロナ禍において笑えないものでした」

画像: ロウ・マルナティスのピザ。

ロウ・マルナティスのピザ。

 マルティナス氏は声明に、「『エミリー、パリへ行く』の脚本家たちはディープディッシュ・ピザ、とりわけロウ・マルナティスのファンではないかもしれませんが、あらゆる世代のシカゴ民たちはこれに反対するでしょう」とも記しており、今回の騒動を逆手にとって、お店のファンには嬉しいサービスを発表した。

「愛とサポートを示してくださるファンの皆さんには感謝しています! 私たちに“#力強いシカゴ”を示し続けてくださる皆さんに『メルシー』を伝えるため、サイズ4もしくはサイズ6のテイスト・オブ・シカゴのピザのパックを5%割引いたします!」

 「ロウ・マルナティス」はソーシャルメディアでもこの一件に言及。『エミリー、パリへ行く』の場面写真にディープディッシュ・ピザの画像を合成した写真を投稿して、ジョークまじりに次のようにツイートした。

「『エミリー、パリへ行く』は、ロウを最悪だと思っています。それには同意し兼ねます。ご自身で試してみてください。お嫌いですか?」

(フロントロウ編集部)

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