アメリカの人気ロックバンド、ボン・ジョヴィのフロントマンであるジョン・ボン・ジョヴィが、自分は白人男性として特権を受けてきた筆頭だと語った。(フロントロウ編集部)

最新アルバムで社会問題に触れたボン・ジョヴィ

 10月2日に約4年ぶりとなるアルバム『Bon Jovi 2020(ボン・ジョヴィ2020)』をリリースしたアメリカのロックバンド、ボン・ジョヴィ。通算15枚目のアルバムとなる本作は、より社会的メッセージが込められたものが多く、アメリカ全土で行なわれている人種差別撤廃を求める運動から影響を受けた「American Reckoning(アメリカン・レコニング)」、そして新型コロナウイルスの世界的拡大のなか頑張っている人たちにむけた「Do What You Can(ドゥ・ホワット・ユー・キャン)」などが収録されている。

画像: 最新アルバムで社会問題に触れたボン・ジョヴィ

 今回、フロントマンのジョン・ボン・ジョヴィが米CBSのニュース番組『Sunday Morning』に出演して、最新作で社会的なテーマを扱ったことについて言及。「ライターにとって、この世界は(テーマの)多産な土地なわけでさ」とした上で、「今回は、『俺が書くべきはこれだけだ』ってなったんだ。歴史における瞬間や、時代における瞬間のことだよ」と説明した。

白人男性としての特権に言及

 人種差別の撤廃を求める「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)」運動にインスピレーションを得た「American Reckoning」では、今年5月に警察官に膝で首を抑えられて黒人男性のジョージ・フロイド氏が亡くなった事件についても触れられており、彼が死に際に残した言葉である「息ができない(I can't breathe)」が歌詞に引用されている。

 「American Reckoning」では次のように歌われている。

「ストリートで抗議が起きてる
彼女の良心が奪われたんだ
彼女の魂は包囲されている
また母親が泣いている、歴史は繰り返すんだ
息ができない」

 『Sunday Morning』の中で、ジョンは自身が白人男性として世の中に対して有してきた特権についても言及しており、「もし俺が白人の特権を受けてきた筆頭の男性でないのなら、他に誰がいるというんだい?」と問いかけている。「俺は年寄りで、白人で、裕福なセレブなんだ。そうだろ? 自分でも分かっているんだよ」。

「そういうわけで、俺は慎重にやらなければいけなかった」とジョン。「意見をくれるような、友人や、それまでは知らなかった人たちと話をしたんだ。彼らは実際に意見をくれてね。(世の中でなされている)会話に何かをもたらしたくて、 俺は書き直しを繰り返した。しっかり宿題もした上でね」と続けて語り、多くの人たちと意見を交わしながらアルバムを完成させたことを明かした。

 一方で、「慎重に言わなければいけないこととして、これは政治的なアルバムではないんだ」とジョン。「俺はどちらの側にもつかないからね」と、自身はアーティストとしてオーディエンスに特定の信条を持ちかけるわけではないとした上で、「その人の政治思想なんて気にしていないんだ。俺が気にしているのは、世界の人たちが同じ空気を吸っているんだということに気付いてほしいということだよ」と語り、あくまでもあらゆる人たちが平等に扱われることを訴えていると続けた。(フロントロウ編集部)

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