映画『ハリー・ポッター』シリーズで主演を務めたダニエル・ラドクリフは、2作目となる『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でギャラが大幅アップ。その裏には、労働組合からの助けがあった。(フロントロウ編集部)

世界的大ヒットを記録した『ハリー・ポッター』

 2001年に映画版シリーズ第1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』が公開され、2011年にシリーズ最後となる第8作目『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』が有終の美を飾った『ハリー・ポッター』シリーズ。今では子供向け映画の代表格になっており、ワーナー・ブラザースが誇る作品の1つとなっている。

 イギリスを代表する名俳優が数多く出演して画面を彩った本シリーズは、主役ハリー役のダニエル・ラドクリフやハーマイオニー役のエマ・ワトソン、ロン役のルパート・グリントからドラコ・マルフォイ役のトム・フェルトンまで、子役達の成長も見届けた。

画像1: ⓒWARNER BROS. PICTURES / Album/Newscom

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『賢者の石』でのギャラは低かった

 主演のダニエルは本作に出演する前から子役として活動しており、イギリス国内では有名だったけれど、世界中でその名が知られることになったのは『ハリー・ポッター』への出演がきっかけ。ダニエルはシリーズ全8作品への出演で、ギャラだけで7,400万ポンド(約100億円)程度を得たと見られているけれど、第1作目のギャラは7万5,000ポンド(約1千万円)程度だったと英The Guardianが報じている。

 当時12歳だったダニエルにとってこの金額は多額であることは間違いないけれど、歴史に残る大ヒットシリーズとなった『ハリー・ポッター』シリーズでは当初、俳優やスタッフへの賃金が低すぎるという声があり、ホグワーツ魔法学校の教師でハリー達にホウキの乗り方を教え、クィディッチの試合では審判を務めるマダム・フーチを演じたゾーイ・ワナメイカーは、英The Telegraphのインタビューで賃金の問題を批判して2作目以降は出演していない。

画像2: ⓒWARNER BROS. PICTURES / Album/Newscom

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『秘密の部屋』で大幅アップ、そのために…

 そしてダニエルは、2作目となる『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では当初12万5,000ポンド(1千700万円)をオファーされたと、スー・ブラックホールによるダニエルを追った著作『DanielRadcliffe: The Biography(原題)』は伝えている。しかし、その前の『ハリー・ポッターと賢者の石』はその1作品だけで、2020年10月には世界興行収入10億126万ドル(約1,100億円)を突破した超モンスター作品。その主演俳優のギャラが1千700万円というのは、あまりに安い。そこで立ち上がったのが、英国俳優労働組合(The British Actors' Equity Association)。

 制作陣に組合が働きかけ、最終的にダニエルのギャラは、12万5,000ポンドから200万ポンド(約2億7,000万円)程度に大幅アップしたと見られている。

 そんな出来事があり、さらにシリーズは新作のたびに巨大シリーズとなっていったことから、最終的にはギャラだけで約100億円を手にすることとなったダニエル。しかし彼は、2016年にはそのお金をほとんど使っていないと明かしている。そして資産があることは幸運であり、だからこそお金のためでなく良質な作品に出演していきたいと、一流の俳優となった志を語っていた。(フロントロウ編集部)

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