多くの俳優が演じてきたキャットウーマン
プリンセスから泥棒、そして大魔女まで、演じてきたキャラクターにかなりの幅がある演技派俳優のアン・ハサウェイは、かのクリストファー・ノーラン監督によるバットマン映画『ダークナイト』三部作の最終章『ダークナイト ライジング』でキャットウーマンを演じた。
DCコミックスのキャットウーマンは、これまでにリー・メリウェザー、ミシェル・ファイファー、ハル・ベリー、そしてアンが演じてきた人気キャラクター。そしてマット・リーヴス監督による2022年公開予定の映画『ザ・バットマン』では、ゾーイ・クラヴィッツが演じる。
ゾーイとキャットウーマンには因縁がある
じつはゾーイは、アンがキャットウーマンを演じた『ダークナイト ライジング』では門前払いされた過去があり、2015年には米NYLONのインタビューで呆れつつ苦い気持ちを語ったことがある。
「『ダークナイト ライジング』では、私の見た目が“都会的すぎる”っていう理由で小さな役のオーディションすら受けさせてもらえなかった。「一体、物語と何の関係があるの?」って納得がいかなかったな。だって、私には「よう、バットマン、元気?調子どう?」みたいなチャラい役しかできないって勝手に決めつけられているみたいだった」
しかし、ついにキャットウーマンを演じることとなり、その衣装や制作陣とのコミュニケーションに自信をにじませている。そしてそんな新キャットウーマンには、アンも文句のつけようがないと感じているよう。米Colliderのインタビューでゾーイになにかアドバイスはあるかと聞かれたアンは、こう答えた。
「階段から降りてくる彼女を見たでしょ?うん、彼女は私のアドバイスを必要としてないよ」
アンからゾーイへのアドバイス
ゾーイに自分のアドバイスはいらないとして絶賛したアンは、さらに、各作品には監督の個性が出ており、そのなかで演技をする時には自分で自分の演じ方を見つける必要があると語る。
「もしアドバイスがあるとしたら、誰の言うことも聞くなってこと。あの役を演じる方法は、自分のバージョンを生み出すしかない。私達の監督は全員違うし、私達のキャラクターの解釈は出演する作品に基づいた特有のものだった。私の(最新作『魔女がいっぱい』での)グランド・ウィッチはロバート・ゼメキス監督のために特有のものだったし、(1990年の『ジム・ヘンソンのウィッチズ/大魔女をやっつけろ!』でグランド・ウィッチを演じた)アンジェラ・ヒューストンのはニコラス・ローグ監督のために特有のものだった。そしてそれは素晴らしいこと!すべてのジョーカーも各監督のために特有のものだったでしょう。だから(演じるにあたって)比較して困ることもそんなにないよ。とくに、あなたがそれをしてるわけではなければね。だってあなたの仕事は自分(のバージョン)を捧げることだから。彼女がそれで何をするかが楽しみ。彼女は完璧なチョイスだと思ったから」
「誰の言うことも聞くな」というアドバイスには、今では演技派俳優として地位を固めるアンの堂々たる姿勢が見える。ゾーイのキャットウーマンは、『ザ・バットマン』の第1弾予告編や、撮影現場でのパパラッチ写真で見ることができる。(フロントロウ編集部)