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これまで、幾度となくマクドナルドを挑発してきたバーガーキングが、突然、「マクドナルドで注文を」と顧客たちにお願い。急に歩み寄った裏にはどんな思惑が?(フロントロウ編集部)

バーガーキング、「マクドナルドで注文を」と異例のお願い

 ファストフードチェーンのバーガーキングは、これまで、世界最王手である競合店のマクドナルドをライバル視し、機会を見つけては、あの手この手で煽りまくってきた

 そんなバーガーキングのイギリス、フランスの公式SNSが、突如、顧客たちにマクドナルドでの商品購入を促す声明を発表。この異例の行動の裏に秘められた思惑が切実だった。

画像: バーガーキング、「マクドナルドで注文を」と異例のお願い

 「マクドナルドで注文してください」。そんなタイトルがつけられた声明が、英バーガーキングの公式SNSで公開されたのは、イギリス全土が新型コロナウイルスの感染者数が再び激増したことにより、2度目のロックダウンに突入した11月2日。

 「こんなお願いをすることになるとは思いもしませんでした」と始まるメッセージで、バーガーキングは、マクドナルドだけに限らず、ケンタッキーフライドチキンやサブウェイ、ドミノ・ピザといった地元のファストフード店の利用にくわえて、個人経営のレストランや食料品店などの利用も促しており、新型コロナ禍で大きな打撃を受けている飲食店業界をサポートして欲しいとの願いが込められている。

 さらにバーガーキングは、「何千人ものスタッフを雇用する飲食店は、今、みなさんの助けを必要としています」、「もしもご支援いただけるなら、これからも、デリバリーや持ち帰り、ドライブスルーを利用して美味しい食事を楽しんでください」と呼びかけ。

 最後に、「一番良いのはワッパーを注文することですが、ビッグマックを注文するのもそんなに悪い事ではありません」と、同チェーンの一番人気のハンバーガーである“ワッパー”とマクドナルドの競合商品である“ビッグマック”を並べたユーモアのある言い回しで、“永遠のライバル”として敵視し続けてきたマクドナルドに歩み寄る姿勢を見せた。

 先に2度目のロックダウンが始まったフランスに続くこととなってしまったイギリスでは、5日から、イートインスペースを含む、レストラン店内での飲食が再び停止に。元来、客足がにぶる傾向にある冬が近づくなか、テイクアウトやデリバリーのみでの営業を余儀なくされるため、飲食店はさらなる苦境を強いられることが予想される。

 このピンチを乗り越えるには、たとえライバルだろうと手を取り合って立ち向かって行かなくてはならないというのが、バーガーキングの覚悟のよう。

 マクドナルドは、相変わらずバーガーキングの絡みには反応していないが、英バーガーキングの公式ツイッターは、声明には含めきれなかった、たくさんの地元のバーガー店のアカウントをメンションしてバーガー業界全体に注目を集めようと尽力している。(フロントロウ編集部)

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