「選挙ストレス」を募らせるアメリカ国民
ついに11月3日に選挙日を迎えたアメリカ大統領選。投票が締め切られ、各州で順次開票が始まってから、アメリカ国民のほとんどがテレビやネットのニュースにかじりつき、再選を狙う共和党のドナルド・トランプ大統領と政権奪取を目指す民主党のジョー・バイデン前副大統領の勝敗の行方を固唾を呑んで見守っている。
アメリカという国の未来を大きく左右する今回の選挙では、多くのセレブたちがバイデン氏への支持を表明。自分たちの影響力を活かして、あの手この手で投票を呼びかけてきた彼らは、バイデン氏の“地滑り的勝利”に期待を寄せていたものの、期日前投票が1億票を上回る空前の規模となったことを受けて集計が長引き、4日未明の時点では、勝敗を大きく左右するいくつかの激戦州でトランプ大統領が優位に。
これを受け、トランプ大統領がフライングで“勝利宣言”をして、はなから敵視してきた郵便による投票は「不正だ」、「投票所が閉まったら、もはや投票はできない」と、集計の打ち切りを主張。政治専門家たちにとっては想定内だったが、これも、多くの人々を不安や恐怖に陥れる一因となっている。
胃がキリキリと痛むような不安でやるせない時間が続くなか、選挙によってもたらされるストレスの解消法にも注目が集まっており、セレブたちも、さまざまな方法で心の平静を保とうとしている。
「選挙ストレス」に抗うセレブたち
クリッシー・テイゲン
バイデン氏を熱烈に支持し、ペンシルベニア州フィラデルフィアで行なわれた最後の政治集会でもパフォーマンスを行なったグラミー賞受賞シンガーのジョン・レジェンドを夫に持つモデルのクリッシー・テイゲンは、“ストレス・クッキング”で不安を解消。
もともと料理が得意なクリッシーは、テレビで開票速報を見ながらキッチンに立ち、「大丈夫~、問題ないわ~、心配しないで~、どっちに転んでも私たちはきっと大丈夫~」と、あまり大丈夫ではなさそうな声色で歌いながら、アボカドを使ったメキシコ料理のガカモレを作っていた。
— chrissy teigen (@chrissyteigen) November 4, 2020
ベラ・ハディッド
料理に走るセレブは多く、モデルのベラ・ハディッドも、アメリカンドッグを揚げたり、焼き菓子を作って心を落ち着かせていた。
翌朝には趣味の乗馬をたしなみ、愛馬に癒される様子も。「世の中のいろんなものよりも、この動物のほうがわ好きだな…」と、選挙をとりまくさまざまな不条理に疲れてしまった様子でコメントしていた。
リリ・ラインハート
ドラマ『リバーデイル』の撮影のため、カナダ・バンクーバーに滞在しているリリ・ラインハートは、デリバリーを大量にオーダーして“食に走る”ことを宣言。
Just ordered an incredible amount of food because I’m an emotional eater and I’m scared.
— Lili Reinhart (@lilireinhart) November 4, 2020
「信じられないほどの量の食事を注文した。私は感情にまかせて食べる人間だし、不安だから」
トランプ大統領優勢の“レッドステート”の多さに幻滅した様子のリリは、「トランプがどれだけ人種差別的で同性愛嫌悪的で、トランスジェンダー差別的で、女性蔑視的でモラルに欠けた発言をしても、考えを変えないアメリカ人が、こんなにもたくさんいるっていう事実が私には理解できない」ともツイートしていた。
カーディ・B
投票結果をトランプ大統領優勢を意味する「赤」とバイデン氏優勢を意味する「青」に色分けする州ごとのマップを見守っていたラッパーのカーディ・Bは、「いくつかの州が赤く染まる様子を見てたらこうなっちゃった」と、不満そうな表情でタバコを一気に3本吸うという奇行に。普段はあまり見せない喫煙風景でイラ立ちと不安を表現した。
ヘイリー・ビーバー
シンガーのジャスティン・ビーバーの妻でモデルのヘイリー・ビーバーは、選挙の行方が心配なあまり、メンタルのバランスを崩してしまっていることを告白。
自分と同じようにストレスや不安を感じている人たちに、「今日起こっていることについてどう感じているか、信頼できる誰かと話し合ってみて」と呼びかけ、自分もそうするつもりだとインスタグラムストーリーに投稿した。
米心理学会が10月に発表した調査によると、2016年の大統領選で「選挙がストレスの大きな要因となっている」と答えた人は52%だったのに対し、今回の選挙では、それをはるかに上回る68%という結果に。
日本でも、選挙の行方に気を揉んでいる人は多いだろう。投票率が米史上最高の66.9%にのぼる(※)記録的な規模となった今回の選挙では、集計が終わり、正式な結果が出るまでに数週間かかる可能性も見込まれている。どんな方法であれ、ストレスをうまく発散しながら、気長に待つ忍耐力が必要になる。
※米フロリダ大学のマイケル・マクドナルド政治学教授らが運営する選挙データサイト「U.S.Election Project」による集計(11月4日付)。
(フロントロウ編集部)