アルフォンソ・キュアロン監督が課題を出す
映画『ハリー・ポッター』シリーズの3作目である『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は、その後『ゼロ・グラビティ』や『ROMA/ローマ』でアカデミー賞監督賞を受賞することになるアルフォンソ・キュアロン監督が手掛けた1作。
人物描写を得意とする監督らしく、子役たちにもキャラクターへの理解を深めてほしかったようで、ある課題を出したというエピソードがある。それは、それぞれが演じるキャラクターをテーマとしたレポート課題。主演のダニエル・ラドクリフはハリー・ポッターについて、エマ・ワトソンはハーマイオニー・グレンジャーについて、そしてルパート・グリントはロン・ウィーズリーについて、といった具合。
ダニエル、エマ、ルパートが提出したものは?
『アズカバンの囚人』が公開されたのは2004年であり、その時ダニエルは15歳、エマは14歳、ルパートは16歳。よって課題が出された時にはそれより1~2歳下だったと考えられる。キュアロン監督からしても、子供達がキャラクターへの理解を深められるようにということが目的なので、レポートとしてレベルの高いものを期待していたわけではないと思われるけれど、そのレポート結果は、見事にキャラクター3人の性格を表していることで知られている。
監督の課題に対して、エマはハーマイオニーのファッションをテーマに絞って16枚ものレポートを提出し、ダニエルは1枚のレポートを書いた。そしてルパートは…、何も提出しなかった!
ハーマイオニーといえば秀才として描かれ、演じたエマも英米の超名門イェール大学やケンブリッジ大学などに合格し、最終的にブラウン大学に進学して卒業したことは有名。そしてロンといえば、シリーズの最初の頃にはちょっと抜けてる可愛い男の子として愛された。現実でも、キャラクターたちを体現するかのような結果になったことに、多くのファンがほっこりすることとなった。
このことについて、ルパートは2016年に米The Huffington Postのインタビューで、ある理由をあげている。この時ルパートは、イギリスで義務教育修了時に受ける全国統一試験のGCSEの試験を控えており、キュアロン監督の課題に取り組む余裕がなかったそう。GCSEはその後の進路にも大きく影響する重要な試験なので、ルパートの理由には納得。しかし彼は、続けてこう話した。
「あれをやらないのは、すごくロンっぽいでしょ。監督もある意味評価してくれたと思うな」
(フロントロウ編集部)