スティーヴン・キングが作り上げたホラー作品『IT/イット』
『IT/イット』は、1986年に“ホラーの帝王”とも呼ばれるスティーヴン・キングが発表したホラー小説。人間たちの弱さにつけ込み恐怖を与える邪悪なピエロ、ペニーワイズが起こす事件を追ったストーリーになっている。
本作は、1990年に2部構成のテレビ映画として放送され、2017年にはそのリメイク版として映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が、2019年には『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』が公開された。それぞれ物語の前半は幼少時代、後半は大人になった現代の2パートに分かれている。
それにしても、『IT/イット』に登場する恐ろしすぎる怪物のペニーワイズは、なぜピエロがモチーフになっているのだろうか。
『IT/イット』ペニーワイズがピエロな理由
スティーヴン・キングは、米Dread Centralとのインタビューで『IT/イット』を書いていたときの秘話を明かした。実は当初ペニーワイズはピエロではなく、絵本『三びきのやぎのがらがらどん』に登場するトロールのようなイメージの生き物だったという。しかし書き進めているうちに、子供たちはトロールよりもピエロの方が怖いのではないかと思うように。
当時彼は、「すべてのモンスターが入っている」長編を描きたいと思っていたそうで、小説に入れられるような、吸血鬼、狼男、ミイラなどの古典的モンスターを調べていたそう。そのうちに、そんなモンスターたちをひとまとめにしたような、誰も見たくない、見たら恐怖に打ちひしがれてしまうような「恐ろしい、厄介な、グロい、クリーチャーのようなもの」が一つはあるはずだと考えるようになり、その答えが「ピエロ」であることに気がついたという。
ピエロとしてのイメージが強いペニーワイズだけれど、もともとはピエロではなかったとは非常に驚き。もちろんトロールも怖いけれど、ピエロの方が現実味があってさらに怖さをプラスする。スティーヴンのそんなアイディアが未だに多くの人を恐怖のどん底に落とす名キャラクターを生み出した。(フロントロウ編集部)