『ブロークバック・マウンテン』でヒース・レジャーの娘を演じたケイト・マーラが、当時の思い出を振り返った。(フロントロウ編集部)

高い評価を受けた『ブロークバック・マウンテン』

 クリストファー・ノーラン監督による2008年の映画『ダークナイト』でジョーカーを演じ、歴代ジョーカー役俳優のなかでもファンからの人気が高い故ヒース・レジャー。その演技から、死後にアカデミー賞助演男優賞を受賞することとなったヒースだけれど、彼の繊細で力強い演技力が注目されたのは、2005年の『ブロークバック・マウンテン』でのこと。この作品でヒースは、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。

 ヒース演じるイニスと、ジェイク・ギレンホール演じるジャックが、すれ違いながらも絆を深めた20年にわたる愛と人生を描く本作。当時は今ほど同性愛に理解が進んでおらず、からかうような言葉を投げかけられることもあったという。しかしジェイクは当時について、「ヒースは、決してそういったジョークは言わなかったんだ。誰かが映画のストーリーとかについてジョークを言おうとしたら、彼は、『やめろよ。これは愛についての話だぞ』って感じだった」と、彼の真摯な態度を明かしている

画像: ジェイク・ギレンホールとヒース・レジャー。

ジェイク・ギレンホールとヒース・レジャー。

4歳差で親子役に挑戦

 そんな本作では、物語の最後にイニスの娘であるアルマ・ジュニアが登場する。彼女を演じたのはケイト・マーラなのだけれど、じつはケイトとヒースは、たったの4歳しか違わない。ヒースは当時20代半ば。しかし本作で1人の男性の20年間を演じきったので、このようなことが起こった。

 当初、アルマ・ジュニアの年齢は14歳くらいの設定で、ケイトとヒースよりも年齢差が出るはずだったそう。しかし最終的にケイトがアルマ・ジュニアを演じることになり、彼女は19歳という設定になった。このことについて、ケイトは『Watch What Happens Live(原題)』でこう振り返る。

画像: 4歳差で親子役に挑戦

「オーディションを受けた時は当時の自分の年齢を演じるために受けたんだよ。私のキャラクターはその時は19歳だったはず。でも(監督の)アン・リーにやらせようってなって。キャラクターは当初は14歳くらいだったのに。『これは絶対上手くいかない。私たちはたった5歳差とかなんだから』って思った。でもヒースは素晴らしくて、上手くいった」

後輩の面倒を見ていたというヒース

 また、ケイトは、カメラが回っていないところでのヒースとの思い出も心に残っているという。

「私は19歳で、彼は数年だけ年上だった。クレイジーだよね。でも彼は本当に優しい人。あのすべての経験は本当に素晴らしいものだった。彼は数年だけ年上だったけど、世話をやいてくれた。私は当時、そこまで(業界で)働いていなかったから。あれは本当に特別なものだね」

 同性愛をバカにする発言を許さなかったり、後輩の世話を見たりと、温かいエピソードがいまだに出てくるヒース・レジャー。彼が演じたイニスの妻アルマを演じたミシェル・ウィリアムズは、現実でもヒースと一時交際しており、本作が公開された2005年に娘のマチルダを出産。ヒースの実の娘であるマチルダは、今年で15歳になる。(フロントロウ編集部)

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