ジェイコブ役がジョニー・デップの降板騒動についてコメント
映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』とその続編『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』に、ノー・マジ(非魔法族)のジェイコブ・コワルスキー役で出演する俳優のダン・フォグラーが、ゲラート・グリンデルバルド役の俳優ジョニー・デップが降板した件に対する「本音」を自身のオフィシャルファンページで明かした。
ご存じの方が多いと思うが、今年11月、元妻アンバー・ハードへのドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力)を報じた英紙との名誉毀損裁判でジョニーが敗訴したことをうけて、『ファンタスティック・ビースト』シリーズの製作・配給元であるワーナー・ブラザースがジョニーにグリンデルバルド役を辞退するよう要請。それに応じたジョニーは、後日、自身のインスタグラムに投稿した直筆のメッセージを通じて、『ファンタスティック・ビースト』シリーズを降板したことを発表した。その後、“北欧の至宝”と言われる俳優のマッツ・ミケルセンがグリンデルバルド役を引き継ぐことが決定した。
ダンは、こういった問題について語るのは得意ではないとしたうえで、率直な思いをこう綴っている。
「ジョニーにとって最善なことと、映画にとって最善なことは同等ではないかもしれない。正しい判断が必ずしも公平とはかぎらない。そんな単純なことじゃないんだ。
僕はジョニーのことを愛しているし、彼にはつねにベストな状態であってほしい。自分本位かもしれないけれど、もしまた彼と一緒に働けるなら、彼にはベストな状態であってほしい。僕にはなんの決定権もないけど、もし自分に(決定権が)あったら、彼のそばで撮影ができるために全力を尽くす。ロックダウン(都市封鎖)によって撮影が中断されないことを願いながら、このストレス過多な状況でまともなパフォーマンスができるよう祈ったと思う。
なんの保証もなく、作品を絶対にヒットさせなければいけない状況下において、これは有罪か無罪かに関係なく、一部の人たちにとって非常に大きな賭けだ。不確定な部分が多すぎる。多分、どんな決断を下したとしても損失を被ることになったと思う。してもしなくてもダメ…めちゃくちゃな状況だよ」
「でも、みんなが説明を求めていたから、僕が何か言う必要があると感じた。沈黙ほどひどいことはない。僕も人間だ。ワーナー・ブラザースがこの件をもっと適切に処理して、僕たちキャストにその事実を伝えるだけでなく、この件について質問された時にどう答えればよいのか教えてほしかったかって?答えはイエス。ここでみんなと話をしてる理由もそこにある。
僕が『ジョニーはバラバラの破片をともなった壮大な彗星だ』と言う時、それは、僕がここ数年で実際に見たことをベースに言っている。僕は同じようなことを、ジャック・ニコルソンやエンターテイメント業界にいるそのほかの素晴らしい男性たちにも言うだろう。それはロックンロール。だからこそ僕らは彼らを愛するんだ。
ワーナー・ブラザースの見解も、彼らがなぜ最終的にジョニーを外すことを決断したのかも、僕には話すことができない。ただ、例の件に渦巻く闇と混乱によって、彼らの頭の中に“潜在的な責務”の文字が浮かび、それと同時にストレスがジョニーに肉体的及び精神的な打撃を与えたのではないかと考えたと推測される。クソッ。みんなと同様にこの問題と向き合ってるあいだは自分の仕事に全然集中できない。僕にできるのは、ジョニーが今どんなに大変な思いをしているのか想像することだけだ」
ちなみに、ジョニーの降板をうけて真っ先にコメントを発表したアルバス・ダンブルドア役のジュード・ロウは、「こういった状況ではスタジオの判断に従うしかない。我々にできることはそれだけだ。私たちは自分に与えられた役割を果たす必要がある。このようなフランチャイズでは、大きな決断を下すのはスタジオなんだ」と、俳優側に決定権は一切ないことを強調したうえで、「(ジョニーの降板は)私にとっては珍しいことだった。たった1日とはいえ、ジョニーはすでに最新作の撮影に参加していたからね」と、すでに最新作の撮影がスタートしている状況での共演者の途中降板は、俳優としてのキャリアが長いジュードにとっても非常に珍しい出来事であった明かしている。(フロントロウ編集部)
※こちらの記事は発言訳の一部を訂正しました。