今も愛され続けるポール・ウォーカー
ポール・ウォーカーは、大人気カーアクション映画『ワイルド・スピード』で知られる人気俳優。大の車好きであった彼は、人気絶頂のさなか、プライベートでの自動車事故により、2013年11月30日に、帰らぬ人となった。
『ワイルド・スピード』シリーズ以外にも『父親たちの星条旗』や『南極物語』など数々の作品に出演していたポールは、現在でも多くのファンに愛されている。
そんな彼は生前、DCコミックスのヒーロー、スーパーマン役のオファーをもらった際、それを断っていたそう。
ポール・ウォーカーがスーパーマン役を断った理由
スーパーマン役といえば、多くの俳優が憧れ、そのオーディションを受けにいくようなキャラクター。その役になるだけで、俳優自身が多くのファンにとってスーパーヒーローになってしまうほどの影響力を持っている。
実はポールは、2006年に公開された映画『スーパーマン リターンズ』でスーパーマン役のオファーを受けていた。ところがある理由から、彼はあっさりとその役を断ってしまった。
米ComingSoon.netが行なった生前のポールとのインタビューによると、その理由とは、前述のようにスーパーマンというキャラクターの持つ影響力があまりにも大きいから。多くの人々が常にスーパーマンと彼を関連付けるだろうということが分かっていたため、その役を演じることで他の映画に出演するチャンスを逃してしまうことを恐れていたそう。
ポール・ウォーカー、スーパーマン役を断った際の会話
ポールは、2003年に出演した映画『タイムライン』のリチャード・ドナー監督にその胸の内を明かしていた。ちなみにドナー監督は、1978年に映画『スーパーマン』で監督を務めた過去を持つ。
ポールは、「僕たちは会話をして、最後に『僕は(スーパーマン役を)必要としているのかな?やるべきかな?』と聞くと、彼は『何のために?』と言った。だから僕は『経済的な意味で』と返すと彼は『いいや、君、これはやりたいからやるものだ』と言ったんだ。それで僕は『僕はスーパーマンとして死にたくなくないと思う』と言うと、彼は『じゃあそれが君の答えだ。やるんじゃない』と言ったんだ。それですべてがまとまった」と、ポールはドナー監督との会話を振り返った。
スーパーマン役を断ることが大変だったか聞かれたポールは、「それほど難しくなかったよ」と言いつつも、スーパーマンとして得られる莫大なギャラを見過ごすことは簡単ではなかったという。しかしそれも自分のためではなく、家族や親に良い生活を与えたいからという、他人想いな理由。
ポールは、「みんなには良い生活をしてほしい。とくに母親と父親には。彼らはあまりお金を持っていなからね。いつの日か、ハワイの大きな島かどこかに家族の住処が欲しい。そして毎年クリスマスにはみんなを飛行機で招待できたら最高だね。そういう風に物事を考えるから。いつの日かそうできなければ、彼らや自分を失望させてしまうのではないかと感じた。(スーパーマンの役を引き受けるということは)そうできる可能性があるかもしれないということだったから、(断る理由としては)それが一番難しいことだった」と、彼らしい回答をした。
そんなポールも、本当はスーパーマンのことが好きなようで、小さい頃はスーパーマンの絵が描かれたパンツを履いていたそう。ただ、ポールにはスーパーマン以上に憧れていたスーパーヒーローがいたそうで、それは、DCコミックスのアクアマン。大学で海洋学を学んでいたほど海好きなポールは、イルカと一緒に海を泳ぐアクアマンに憧れていたという。(フロントロウ編集部)