ネイルアートをして学校に行ったところ、校則に違反するとして校内停学処分になったアメリカの高校に通う男子生徒が、SNSで学校側の対応を猛烈に批判。この男子生徒が指摘した女子と男子の扱いの差とは?(フロントロウ編集部)

男子生徒が停学処分に涙の抗議

 アメリカのテキサス州にあるクライド高校に通うトレバー・ウィルキンソンが、ネイルアートをして登校したところ、校則に違反するとして校内停学処分(※)になったことが問題視されている。
※問題行動のあった生徒を登校させるが通常の授業に出席させず、教師の監督下で自習させる罰則。

画像: 学校側の対応の“矛盾点”を指摘したトレバー・ウィルキンソン。

学校側の対応の“矛盾点”を指摘したトレバー・ウィルキンソン。

 処分を不服に感じたトレバーは、写真&動画共有アプリのSnapchat(スナップチャット)に泣きながらカメラに向かって爪を見せて抗議する写真を投稿し、学校側の対応を猛批判。この写真は瞬く間に拡散され、アメリカの有名な朝の情報番組『Good Morning America(原題)』にも取り上げられた。

 生徒が校則を破って学校から処分を受けるという話は、アメリカにかぎらず日本でもよく聞くが、なぜこの件がここまで話題になっているのか? その理由は学校側の対応の“差”にあった。

 実際、クライド高校の校則には「メイクとマニキュアは禁止とする」と書かれているが、トレバーによると、女子生徒がこの校則を破ってメイクをしたり、爪にマニキュアを塗ったりしていても、注意される姿は一度も見たことがないそうで、トレバーは今回学校が彼に下した処分は「完全なるダブルスタンダード」だと指摘。

画像: 男子生徒が停学処分に涙の抗議

 ダブルスタンダード(二重基準)とは、同じ問題に2つの矛盾する基準をもうけて使い分けることで、例えば男の子がやんちゃをするのは「男の子だから」と許すのに女の子の場合は「行儀が悪い」と叱る、押しの強い場合に男性ならば「自信がある」と評価するのに女性だと「気が強い」とネガティヴにとらえるなど、対象によって対応を変えることを指す。

 男女平等に同じ処分が下されるなら納得がいくが、女子生徒なら見逃してもらえるのに、男子生徒なら見逃さないというのは差別以外のなにものでもない。また、トレバーは自身が同性愛者を公言していることも、校内停学処分を受けた理由のひとつであると考えているようで、「これは同性愛嫌悪であり性差別である」と自身のツイッターで非難している。

 トレバーが、オンライン署名運動サイト「Change.org」に「Allow males to wear nail polish(男性がマニキュアを塗ることを許可せよ)」と題して立ち上げたキャンペーンページには、すでに目標の50万人の半分を超える30万人以上の署名が集まっているが、学校側は処分を取り下げるつもりはないそうで、爪に塗ったマニキュアを落とさないかぎり、校内停学処分は継続のままだという。

 ちなみに、トレバーは先日出演した『Good Morning America』で、「差別や性差別、同性愛嫌悪、人種差別が蔓延る小さな町では、人々の感情を無視するドレスコードやルールが強制されています。それは『表現の自由』に完全に反しており、連邦法にも違反しています」と訴えている。(フロントロウ編集部)

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