Amazonプライム・ビデオで2020年12月4日から配信が始まったリズ・アーメッド主演の映画『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』が海外批評サイトなどで高い評価を受けている。そんな本作のあらすじや見どころをご紹介。(フロントロウ編集部)

聴覚を失っていくドラマーの姿を描く『サウンド・オブ・メタル』

 Amazonオリジナル映画『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』が、2020年12月4日より日米のAmazonプライム・ビデオで独占配信となった。本作は、突然耳の聞こえなくなる病に侵されたヘヴィメタルバンドのドラマーの姿を描いている。

 主人公のルーベンは恋人のルーと一緒にバンドを組んで活動していた。そんなある日、ルーベンは耳が聞こえにくくなっていることに気がき、念のため専門医を受診したところ、聴力を失ってもおかしくない状態にあることが判明した。

 ルーベンはすぐに治療を開始したが、病状は急速に悪化していった。絶望のあまり自暴自棄になるルーベンだったが、そんな彼を見かねた知人が聴覚障がい者の自助グループを紹介してくれた。彼らとの交流を通して、ルーベンは徐々に生きる希望を見出していくのだった。

 本作は、米辛口批評サイトRotten Tomatoesで批評家スコア97%、観客スコア90%を獲得している人気作品。もともと2020年8月ごろに劇場公開される予定だったものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で公開、および配信が延期されていた。

「この映画は“目覚め”」ダリウス・マーダー監督の描く「ろう文化」

 監督のダリウス・マーダーにとって、『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』を制作することは、長年の夢だったという。彼は本作の構想に13年、制作に10年という長い年月をかけてきたことを米Observerに明かしている。

画像: ダリウス・マーダー監督(左)、リズ・アーメッド(右)

ダリウス・マーダー監督(左)、リズ・アーメッド(右)

 さらにマーダー監督は米Varietyに「この映画は“目覚め”です。ほとんどの人は難聴を身体障がいと考えています。それが実際には文化であるとは理解していません」と語っている。というのも、「ろう」という言葉には様々な意味があり、単に聴覚障がいがあるということを示すだけの言葉ではなく、手話や視覚を中心としたコミュニケーションを行なう文化のことも指しているから。

 これまでハリウッド映画の中でろう者は、「身体障がい者」や「特殊な脇役」として描かれることがほとんどだった。しかし本作では、ろう者を特異な存在ではなく、どこにでもいる人の一人として描写している。

 ハリウッドにおけるろう者描写の悲しい歴史を受けて、マーダー監督は「ろう者文化を切り取って使う映画や、まともなコネクションなしに表現する映画は、かなり不快なものです。ろう者は、誰かがろう者のふりをしていると、いつも覚えているものです。しかし、私はろう者文化の中に寛大な精神があることに気づいています。彼らは何かを壊そうとはしない」「ろう者のコミュニティは残念ながら、無視されたり、見下されたりすることに慣れてしまっている。いま、人々が自分たちの存在に気づいてくれていることに感謝することから、自分たちの存在に気づくべきだと思う方向に移行している」とコメントした。

『サウンド・オブ・メタル』のキャストは?

 『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』で主演を務めているのは、映画『ナイトクローラー』や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のリズ・アーメッド。マーダー監督は、主人公に聴覚障がい者を起用しなかった理由として、聴覚に障がいを抱えてこなかった人間がマイノリティーとなる慣れない世界に突き落とされるという緊張感のあるプロセスが必要だったと米Varietyで語っている。

画像: 『サウンド・オブ・メタル』のキャストは?

 さらに本作には、映画『レディ・プレイヤー1』のオリヴィア・クック、ドラマ『ウォーキング・デッド』のローレン・リドロフ、映画『グランド・ブダペスト・ホテル』のマチュー・アマルリックなどがキャストに名を連ねている。

 映画『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』は、Amazonプライム・ビデオで見放題配信中。(フロントロウ編集部)

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