イアン・マッケランがいち早くワクチン接種
映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズとその前日譚であるスピンオフシリーズ『ホビット』で魔法使いのガンダルフ役を演じ、近年では『X-MEN』シリーズのマグニートー役や、ミュージカル映画『キャッツ』にも出演したイングランド出身の俳優イアン・マッケラン(81)が、新型コロナウイルスのワクチンを接種したことが英国民保健サービスのSNSを通じて発表された。
演劇界での功績を評価され、大英帝国勲章を授与されており、英国における文化的な象徴と見なされているイアンは、同国で最初に新型コロナウイルスのワクチンを受けたセレブリティの1人に。
'I really hope that, as more people get vaccinated, we will move further along the path back to a more normal way of life.'
— NHS England and NHS Improvement (@NHSEngland) December 16, 2020
⁰Sir @IanMcKellen joins the thousands of people who have now safely received the first dose of the #CovidVaccine. https://t.co/1e3nCAUFcB pic.twitter.com/FFW6jrKqEg
LGBTQ+の一員として人権擁護運動に情熱を注いでいるイアンは、現地時間の12月17日、レインボーカラーのマフラーを身に着けて、ロンドンにあるクイーン・マリー大学病院を訪れ、ワクチンの接種を受けた。
イアンが接種を受けた事を大々的に公表したのは、国民たちにワクチンの接種を奨励するため。
「ワクチンを接種できたことをとても幸運に思います。何のためらいもなく、みなさんに接種をお勧めします」とコメントしたイアンは、看護師から注射を受けた後、カメラに向かって親指を立ててポーズ。「もっと多くの人たちがワクチンを接種できるようになったら、以前のような普通の暮らしが戻ってくることを強く願っています」と語った。
イアンが英Evening Standard紙に語ったところによると、注射の際にはまったく痛みはなかったそうで、「今日は特別な日ですね。とても嬉しいです」と少しほっとした心境を口にしている。また、イアンは、ワクチン接種に反対したり不信感を抱いている人々に対して、「ワクチンの接種を受けるのは、あなた自身のためだけではなく、周囲の人たちのためでもあります。社会のために、少しだけ貢献することにもなるんですよ」と呼びかけた。
セレブや著名人による「ワクチン接種報告」が増える予感
世界で最も早くファイザー・ビオンテック社製のワクチンを認可し、12月8日から国民への接種を開始したイギリスでは、人気料理コンテスト番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』の審査員を務める料理作家のプルー・リースもワクチンの接種を受けたことをEvening Standardが伝えている。
セレブや著名人は、その注目度や影響力の大きさから、国民にワクチン接種を普及させるために、今後も接種を公表するケースが増えそう。
イギリスでは、これまで190万人以上が新型コロナウイルスに感染。感染拡大が深刻なヨーロッパのなかで最も多い、6万5000人以上の死者が出ている。ワクチン接種は、80歳以上の高齢者や医療従事者が優先されている。(フロントロウ編集部)