コストコの独自ブランドのクオリティが高い理由
会員になれば食品や家電、衣類などあらゆる商品がお手頃価格で手に入ることから、日本でも大人気の会員制ウェアハウス・クラブのコストコ(Costco)。ホットドッグやピザといった食べ物やドリンクが激安で販売されているフードコートもあることから、大型スーパーの域を超えて、“テーマパーク感”すら漂うコストコには、既存のブランドの商品よりもさらに格安の独自ブランド、カークランドシグネチャーの商品も数多く並んでいる。
そんなカークランドシグネチャーの商品は、値段はもちろんのこと、どれもクオリティが高いと評判だが、一体どうやってお得で高品質な製品を提供しているのだろうか? そのヒミツは“製造元”にあった。
知っている人もいれば、あまり知らない人も多いようだが、じつはカークランドシグネシャーの商品の多くは、名前を聞けば誰でも知っているような「有名企業」で製造されている。
例えば、パッケージにもちゃんと書かれているが、コーヒーの製造元はあの大手コーヒーチェーンのスターバックス。
また、電池はアメリカの大手電池メーカーのデュラセル(Duracell)、赤ちゃん用の紙おむつはアメリカのおむつ3大ブランドのひとつであるハギーズ(Huggies)、ドックフードは日本にも降りてきているダイヤモンド(Diamond)、洗濯洗剤はヨーロッパでは有名なドイツのヘンケル(Henkel)、クランベリージュースはアメリカ人にはおなじみのオーシャンスプレー(Ocean Spray)など、挙げたらきりがないほどたくさんの有名企業の名前がずらっと並ぶ。また、酒類も有名メーカーによって製造されているものが多く、お得感満載となっている。
でも、ここでひとつ疑問が。信頼できる有名企業に製造を依頼することは、コストコにメリットがあっても、企業側にはとくにメリットがないような気もするが、米Mashedによると決してそんなことはないという。
そもそも、コストコがカークランドの名前で高品質の製品を出すのは、ブランド・ロイヤルティを構築するためだそうで、大企業はコストコと有利な取引をするために、カークランドの商品を製造することに同意するのだという。例えば、ハギーズがカークランドのおむつを製造することに同意したあと、コストコからハギーズのライバルであるパンパースのおむつが消えたことが、その最たる例だと同メディアは説明する。
つまり、カークランドの製品に関していえば、コストコと大企業はお互いにウィンウィンの関係にあるということ。消費者はそのおかげで高品質の商品がお手頃価格で買えるのだから、万々歳といったところだろう。(フロントロウ編集部)