トランプ大統領を支持するデモ隊が米議会議事堂を襲撃
民主党のジョー・バイデン氏が勝利した2020年11月のアメリカ大統領選の結果を確定させる上下両院合同会議が開かれていたワシントンD.C.にある米議会議事堂で、1月6日、ドナルド・トランプ大統領の支持者らがバリケードを突破して、議事堂内に侵入する事態が発生。
議会が中断へと追い込まれ、参加者たちが避難を強いられるなか、議事堂内で何者かが発砲し、女性1人が肩を撃たれ重体。多くの人々はただちに避難したが、記事執筆時点で100名以上の人々が建物内に残されていると、米CNNや米AFPほかが報じている。
Here’s the scary moment when protesters initially got into the building from the first floor and made their way outside Senate chamber. pic.twitter.com/CfVIBsgywK
— Igor Bobic (@igorbobic) January 6, 2021
最初にデモ隊が議会議事堂に侵入してきた時の緊迫した様子。建物内にいた米Huffington Postのイゴール・ボビック記者がツイッターで公開。
セレブたちが事件に反応
議会に参加していた議員たちが、ツイッターなどのSNSを通じて現場の混乱を伝える様子が拡散するなか、セレブたちもトランプ支持者の土壇場での暴挙に対して、不安や怒り、呆れなどを口にしている。
映画『アベンジャーズ』シリーズの俳優マーク・ラファロ
This is a coup attempt on behalf of Trump and his complicit allies. This is All on Trump and his administration. The cowards in the GOP must be held accountable. #CoupAttempt
— Mark Ruffalo (@MarkRuffalo) January 6, 2021
「これはトランプと共謀者たちに捧げるクーデターの企みだ。これはすべてトランプとトランプ陣営の責任だ。共和党の臆病者たちには責任を取ってもらわなくては」
映画『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンス
「言葉も出ない」「もしもデモを行った人たちが白人じゃなかったら、大虐殺が起きているところだろう」、「多くの人々がこの事件が起きることを可能にしてしまった」
I’m speechless
— Chris Evans (@ChrisEvans) January 6, 2021
Just think of the carnage had they not been white.
— Chris Evans (@ChrisEvans) January 6, 2021
So many people enabled this.
— Chris Evans (@ChrisEvans) January 6, 2021
映画『君の名前で僕を呼んで』の俳優アーミー・ハマー
「おい、アメリカ。どうしちまったんだ?」「これがブラック・ライヴズ・マターのラリーか何かじゃなくてよかった。警察はついに本物の暴動と向き合うんだな」
Hey, America.... are you ok??
— Armie Hammer (@armiehammer) January 6, 2021
It’s a good thing this wasn’t a BLM rally or else these assholes would have actual riot police to deal with.
— Armie Hammer (@armiehammer) January 6, 2021
ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の俳優サラ・ジェシカ・パーカー
「想像を絶する、恥知らずで、ショッキングな出来事だけど、驚きはしない。たくさんの人がこの件に関して責任を取る必要がある。誰のことかみんなわかってるよね? 暴力的で分断的で、残虐で屁理屈な人たちを野放しにした。言い訳ばかりで。臆病者め。彼/あなたたちはリーダーなんかじゃない。私たちは再構築を目指す。あなたたちは自分たちだけで勝手に生きていきなさい」
Unimaginable.
— Sarah Jessica Parker (@SJP) January 6, 2021
Disgraceful.
Shocking.
But no surprise.
So many to hold responsible. You know who you are.
You dismissed the violent, divisive, cruel rhetoric. You made excuses.
Cowards
He/you are not leaders.
We will try to re-build. You will try to live with yourselves
シンガーのティナーシェ
「この国は、すごく恥ずかしいよ」
This country so embarrassing man
— TINASHE (@Tinashe) January 6, 2021
映画『ミスエデュケーション』の俳優クロエ・グレース・モレッツ
「アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプの『(プラウドボーイズよ<※>)下がって待機せよ』という発言は、こういう意味だったんだね」
※極右団体の「プラウドボーイズ」のこと
This is what the President of the United States Donald Trump meant when he said — Stand back, and stand by.
— Chloë Grace Moretz (@ChloeGMoretz) January 6, 2021
シンガーのピンク
「アメリカ合衆国の国民として、2人の退役軍人の娘として、もう1人の軍人の姉妹として、ワシントンで起こっていることを恥ずかしく思う。偽善、不名誉、恥。愛国心のない、偽善を振りかざした臆病者たちが毒のクールエイド(粉ジュース)を飲んでる。今日は、アメリカにとって悲しい日」
As a United States Citizen, and the daughter of two veterans, and the sister of another, I am ashamed of what is happening in Washington. Hypocrisy, shame,
— P!nk (@Pink) January 6, 2021
Embarrassment. Unpatriotic hypocritical sheep drinking poison Kool aid. This a sad day for America.
映画『スティーブ・ジョブズ』のアシュトン・カッチャー
「権力の平和的な移行をサポートしよう!それが愛国心というものだ!」
Support the peaceful transition of power!!!!!!!! That’s being a patriot!
— ashton kutcher (@aplusk) January 6, 2021
多くの人々が口にしているのは、ほとんどが白人であるデモ隊に対し、警察が手柔らかに対応していること。
2020年5月末からアメリカ各地に広まった、黒人に対する人種差別に抗議するムーブメント「ブラック・ライヴス・マター(黒人の命も価値がある)」では、武器を持たず、平和的にデモを行っていた参加者たちに対して暴力を行使するなど手厳しい対策を取っていたのにも関わらず、議事堂の内部では、トランプ支持者たちと警官が仲良くセルフィーを撮影する様子なども見かけられ、世間では呆れ声が上がった。
— Gabrielle Union (@itsgabrielleu) January 6, 2021
トランプ大統領がビデオメッセージ「家に帰りなさい」
1月20日の就任式をもって新大統領となるバイデン氏は、「議会議事堂で起きている混沌とした状況は、我々を象徴するものではない。私たちが目の当たりにしているのは、少数の過激主義者たちが、違法な行為に身を捧げる様子だ」などとツイッターで発言。トランプ大統領に直ちに事態を鎮静化するよう求めた。
その後、トランプ大統領はデモの参加者たちに向けて「冷静に」「暴力はダメだ」などツイートしたほか、動画メッセージを公開。「君たちの痛みは知っている。傷ついているのもわかっている。私たちは選挙を盗まれた。選挙は(私の)地滑り的勝利のはずだった。みんなそれは分かっている。とくに反対側の人々は。でも、今は、家に帰りなさい。私たちは平和を維持しなければならない。法と秩序を守るんだ。治安確保に当たってくれている人たちには敬意を払わなければならない。私たちは誰も傷ついて欲しくない」などと語った。
あくまでも、選挙には不正があったという自身の主張は崩さなかったが、「平和に家に帰りなさい」と繰り返した。
ツイッターは、トランプ大統領が動画を公開した投稿に「不正選挙に関する主張は係争中である」と警告メッセージを添えるとともに、暴力行為を生む可能性があるため、コメントやリツイート、「いいね」が一切できないよう制限をかけていた。トランプ大統領の動画ツイートはその後、削除されている。(フロントロウ編集部)