『X-ファイル』でダナ・スカリーを演じたジリアン・アンダーソンが、当時は自分が成功したと感じられなかったと語った。(フロントロウ編集部)

スカリーとして人気を誇ったジリアン・アンダーソン

 1993年から2002年にかけて放送され、その後2本の映画、さらには2016年から2018年にも復活したほどの人気を誇るドラマ『X-ファイル』では、ジリアン・アンダーソン演じるダナ・スカリーと、デイヴィッド・ドゥカヴニー演じるフォックス・モルダーという名コンビが誕生した。

 当時24歳だったジリアンは本作で世界的知名度を得て、その成功からポルシェのオープンカーを購入。それに娘を乗せて学校へ送り届けていたという、ファンにとってはたまらないかっこ良いエピソードも存在するけれど、ジリアン自身はドラマへの出演によって成功を感じることはなかったという。そこには、ジリアンだけでなくデイヴィッドも感じていたという、ある理由があった。

画像: スカリーとして人気を誇ったジリアン・アンダーソン

  「そう(成功を)感じたことがあるかは分からない。ドラマをやっていた時期にそう感じられたら良かったなと、少し思うけれどね。デイヴィッドが感じていたことと似たようなことを、私も思っていたんだと思う。デイヴィッドは、テレビドラマに出るのは自分的ではないと感じていたの。そして私も…。
 初回からあんな金額(のギャラ)を見たことがなかったから、そんなに多くはなかったけど、私が生まれ育った環境と比べるとすごいものだったから、すごく感謝はしていた。でも同時に、私は舞台がやりたかった。シェイクスピア劇を。いろんな活動がしたかった。ドラマに感謝する一方で、少しねたむ気持ちもあった。だから、(19世紀が舞台の映画)『House of Mirth(原題)』をやるまでは、自分は“やった”と感じることはなかったかな。あの映画は、私がやりたいと夢見ていたことだったけど、ある時点まではあのドラマは違った。とはいえ、あのドラマもそうだったとのちに学んだけどね」

ジリアン・アンダーソン、様々な葛藤を抱えていた

 キャリアの初めに、ロングランとなる大ヒットドラマの主役という当たり役を得たことは幸運なことではあるものの、自分の求めることとの違いに葛藤していたことを米Bustleのインタビューで明かしたジリアン。

 ジリアンは『X-ファイル』の終了後すぐに、11歳までを過ごしたイギリスへ戻っており、その理由に、若くして非常に有名になったことや、業界の悪い部分とうまく折り合いをつけられなかったことをあげている

 そんなこともあってか、「私はシリアスな俳優だという気持ちや、でも自分は母親で、そして疲れ切っていたということなどが混ざり合って、さらに自分の頭の中でめぐっていた考えとかが私を襲っていた。実際に現場にいる時にそれに感謝するというのは、すごく難しいことだった」と振り返った。

 今では子供たちも大きくなり、50代となったことで大物俳優の1人として確固たる地位を確立している。2014年には、舞台『欲望という名の電車』での演技で、ロンドン・イブニング・スタンダード・シアター・アワードの主演女優賞を受賞し、2020年からは、大ヒットNetflixドラマ『ザ・クラウン』でイギリスの元首相マーガレット・サッチャーを演じ、その存在感を発揮中。過去の葛藤も、今に繋がっているよう。(フロントロウ編集部)

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