多くのアーティストが影響を受けた名作『1984』
著名なSF小説家、ジョージ・オーウェルが手掛けた名作小説『1984』がテレビシリーズ化されることが決定したと、米Deadlineが報じた。
『1984』は1949年に執筆された小説で、これまでも映画化や舞台化などが行なわれてきた。様々なアーティストにも影響を与えてきたことでも知られ、音楽や文学、映画、ゲームなど、数え切れないほどの作品が『1984』にオマージュを捧げてきた。デヴィッド・ボウイやポール・マッカートニーもその中の1人。
『1984』は政府によって厳しく管理された近未来を描くディストピア小説。監視や検閲が当たり前になったその世界で、多くの人々は何の疑いもなく毎日を過ごしている。ところが主人公はその「当たり前」に疑問を抱き始める…。
本作は、元米ABCチーフのポール・リーが立ち上げた独立系スタジオWiipによって制作される。ドラマの元になるのは、ロバート・アイクとダンカン・マクミランが2013年に上演した同名舞台作品。ドラマは、5エピソードで構成された限定シリーズになるという。
観客が嘔吐⁉︎ドラマ『1984』のもとになる劇
舞台版『1984』は2013年にイギリスのノッティンガム・プレイハウスで初演され、同じくイギリスのウエストエンドで3回上演された。2017年にはアメリカのブロードウェイのハドソン劇場で上演され、主演はオリヴィア・ワイルドとトム・スターリッジ。
この劇は、否定主義、プロパガンダ、果てしない戦争、大規模な監視についての、筆者のビジョンを衝撃的に再解釈したことで注目を集めた。主人公のウィンストン・スミスは、物語の核となる“ビッグブラザー”の圧政と闘う中で血まみれの残忍な拷問シーンが描かれ、観客が気絶したり嘔吐したりしたという報告も。
当時舞台を観劇していたジェニファー・ローレンスもその1人だったそうで、このショーがあまりにも酷すぎると感じたため、観劇の最中にトイレにダッシュで駆け込んだと言われている。これに対しオリヴィアは「私が芝居をする限り、ジェニファー・ローレンスは吐く場所を持っている」と当時冗談めかしてツイートしていた。
Wiipのロバート・アイクとダンカン・マクミランは、偽情報への危険な依存症が発達した世界で、オーウェルの物語の「大胆な新バージョン」になるだろうと語っている。(フロントロウ編集部)