アマンダ・サイフリッド、『レ・ミゼラブル』での演技に不満
2012年公開の米英合作ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』。ヴィクトル・ユゴーの同名小説を原作として1980年代のロンドンでの初演以来、ブロードウェイや日本でも30年以上にわたって公演が行なわれている名作ミュージカルの映画版である同作では、ファンティーヌを演じたアン・ハサウェイがアカデミー賞の助演女優賞を受賞、ジャン・バルジャンを演じたヒュージャック・マンが、同アワードの主演男優賞にノミネートされた。
日本アカデミー賞でも最優秀外国作品賞を受賞した映画『レ・ミゼラブル』は、いまだに多くのファンに愛され続けている作品だけど、同作でコゼット役を演じたアマンダ・サイフリッドは、劇中での自分の演技、とくに歌声にまったく納得がいっていないという。
歌声を後悔 「今でも悪夢」
米Varietyの俳優同士の対談企画『Actors on Actors(アクターズ・オン・アクターズ)』で映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』や『私というパズル』のヴァネッサ・カービーとリモート対談したアマンダは、『レ・ミゼラブル』への出演を振り返り、「ただただ後悔している瞬間っていうのはいくつもあるけど、『レ・ミゼラブル』はやり直せるなら、一からやり直したい。歌声が特にね…今でも悪夢を見るもん」と告白。
当時は、声が「弱かった」、「技術的な点からみて、当時の自分の歌にぜんぜん満足してない」と、シビアに自己分析しつつ、『レ・ミゼラブル』以降、熱心にボーカルレッスンに励み、歌唱力を磨いたため「今ならコゼットをちゃんと演じられる」と話した。
通常なら、ミュージカル作品は、歌唱部分はレコーディングスタジオで“別録り”されるところ、映画『レ・ミゼラブル』は、自然な歌唱を大切にしたいというトム・ハーパー監督の意向により、現場での歌唱をそのまま採用したことで知られる。
アマンダは本番での自分の歌声に納得がいかず、これまでずっと後悔と反省の念を引きずっているということらしい。
後悔と反省をバネに猛特訓
『レ・ミゼラブル』より前に公開されたミュージカル映画『マンマ・ミーア!』と、その10年後に公開された続編『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』でも歌声を披露しているアマンダ。「『レ・ミゼ』の後、自分の声を強くしてスタミナをつけなくちゃってすごく頑張った。ビブラートも訓練したしね」と、猛特訓して歌声をレベルアップさせたことも明かした。
対談相手のヴァネッサは、自分は生歌をパフォーマンスするなんて「恐ろしくてできない」と話しながら、アマンダが『レ・ミゼラブル』で披露した歌声は「素晴らしかったと思うけど」とフォローしていたけれど、アマンダにとっては、『レ・ミゼラブル』のコゼットの歌唱シーンは役者人生における“汚点”となってしまっているよう。
それでも、失敗への悔しさをバネに歌唱力を磨いたというところには、アマンダの並々ならぬ根性を感じる。ここ最近、ミュージカル作品への出演はないけれど、またいつか、映画やドラマの中でパワーアップしたアマンダの歌声を聴ける日が来ることを願いたい。(フロントロウ編集部)