ルイ・ヴィトン、「国旗」に着想を得たセーターの間違いが指摘
ハイファッションの分野でも、近年、人種差別的ととれるアイテムや、デザインや文化の盗用が疑われるデザインなどが問題視され、世間から批判を浴びるケースがあるけれど、フランス発祥の人気ブランド、ルイ・ヴィトンが2021年の春夏メンズ・コレクションの1つとして発表したセーターにも、厳しい視線が向けられている。
メンズのアーティスティック・ディレクターを務めるヴァージル・アブローが敬愛するジャマイカの音楽や文化、パレードにインスパイアされたアイテムが含まれる同コレクションには、「ジャマイカン・ストライプ・プルオーバー」と名付けられた商品が。
1340ドル(約14万円)で販売されている、このスポーティーなセーターは、鮮やかな緑・黄・赤の3色のカラーブロックのデザインとなっており、胸元にはルイ・ヴィトンのお馴染みのロゴが入っている。
パッと見では、とくに問題が無いように感じるが、公式オンラインストアの商品説明には、緑・黄・赤という3色は、「ジャマイカの国旗に着想を得たもの」であるとの記載が。
しかし、実際にはジャマイカの国旗は緑・黄・黒から成る。
この明らかな間違いには、「色、間違ってますけど…?」、「ジャマイカじゃなくて、エチオピアの国旗の色合いじゃない?」、「ガーナの国旗の色だよね」と、ツイッター上で指摘が殺到。なかには、「文化的背景などをしっかりとチェックするためにも、ファッション業界における多様性は重要だと思う」といったコメントも見られた。
これを受け、ルイ・ヴィトンは商品詳細の記載を静かに変更。「国旗」と書かれていた部分を、「文化的遺産」と修正するという形で対応した。
緑・黄・赤という組み合わせに関しては、1930年にジャマイカの農民と労働階級を中心に発生し、レゲエ音楽とのつながりも深い、宗教的思想運動「ラスタファリ運動」のシンボルに影響を受けたものなのではないかという見方もあるが、ルイ・ヴィトンは、この点に関しては、現時点では追記などは行なっていない。
さらに、オンラインストアに掲載されているジャマイカン・ストライプ・プルオーバーの着用画像には、アジア系のモデルが起用されているため、「ジャマイカの文化に敬意を払うなら、ジャマイカ人のモデルを使って欲しかった」といった意見もある。(フロントロウ編集部)