※注意:この記事には、暴力/虐待/DV/性暴力に関する描写が含まれます。
マリリン・マンソンの元妻が相次ぐ虐待告発にコメント
ミュージシャンのマリリン・マンソンとの交際中に精神的・肉体的虐待、あるいは性的暴行を加えられ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を負ったと複数の女性たちがSNSなどを通して声を上げているが、インスタグラムに投稿した声明を通じて自身の胸中とスタンスを明かした。
以下、ディタの声明をフロントロウが全文訳。
「マリリン・マンソンに関して伝えられたニュースを処理しようとしています。私の身を案じてくださった方々のお心遣いに感謝します。今回、公にされたさまざまな詳細は、私個人の体験とは合致しないことを、お知りおきください。彼とは7年間交際しました。2005年12月には結婚しましたが、もしも、自分の身にも(女性たちの告発にあった内容と)同様の事が起きていたとしたら、結婚などしなかったでしょう。私は結婚後12カ月で彼の元を去りました。原因は、不貞行為と薬物乱用です。
いかなる関係においても、いかなる形であっても、虐待行為は許されるべきではありません。虐待の被害に遭った方々は、どうか、傷を癒し、(被害を)自覚するための一歩を踏み出してください。
この件に関して、私がコメントするのはこれが最初で最後です。どうか私の願いを尊重していただけますよう、お願いいたします。」
※追記:ディタは声明での「虐待の被害に遭った方々」の部分で「incurred」という言葉を使っており、この言葉は英語では「自分の態度や行動のせいで(歓迎されない・不快なことの)対象になる」という意味があるため、被害者にも責任があると言っているととれるとして一部で批判を読んでいる。
ディタは、自身はマンソンから女性たちが告発しているような虐待行為は受けておらず、破局の理由はあくまでもマリリンの不貞行為とドラッグの乱用だと明言。しかし、虐待被害者たちに対し「一歩を踏み出して」と綴ることで、支援の姿勢を見せた。
約20年前にマリリンと交際していたドラマ『チャームド〜魔女3姉妹〜』のローズ・マッゴーワンも、ディタと同様に、自身はマリリンからの虐待の被害に遭ったことはないとしながらも、告発者たちを全面的にサポートし、応援するとコメントしている。
被害告発者の数は10人以上に
マリリンと2007年から約3年間交際していたドラマ『ウエストワールド』の俳優エヴァン・レイチェル・ウッドが、インスタグラムに投稿した声明を通じて、マリリンを自身を虐待した人物だと名指しにして告発を行なったことがきっかけとなり、自身もマリリンから虐待や洗脳、性暴力の被害を受けたという女性たちによる告発が相次いでいる今回の騒動。
現時点での告発者の数は10人以上にのぼり、多くの女性たちが実名もしくは、公に使用しているアーティスト名などを明かしてマリリンから受けたという被害を明かしている。
なかには、マリリンから虐待を受けていたとみられる俳優を救おうとしたところ、銃を突きつけられたというスタイリストの証言も。
クィアを公言しているラブ・ベイリーという名のこのスタイリストは、インスタグラムに投稿した動画を通じて、彼女がまだ20歳だった2011年のある日、仕事のためにマリリンの自宅を訪れたところ、寝室でマリリンとある女性の俳優が性行為を終えたばかりだったといい、この女性がベッドの上で意識を失いかけていたと回顧。
「薬物のせいなのか、何なのかわからないけど、彼女はまったく理路整然としていなくて、フラフラしていた。彼女がベッド脇のテーブルに膝をぶつけて痛がっているのを見て、マリリンは笑っていた。私が駆け寄って、彼女を助けようとすると、マリリンは銃を私の額に当てて、『俺はホモ野郎が嫌いなんだよ』と、暗く威圧的に笑った。冗談には聞こえなかった」。
マリリンの自宅で警察が出動する騒ぎ
マリリンは、一連の告発が原因で、レコードレーベルに契約を切られ、すでに撮影済みだった出演ドラマのエピソードが放送中止に。
しかし、女性たちの告発は「ひどく不愉快な現実の歪曲」にすぎず、「私の親密な関係は、すべて、同じような趣向を持ったパートナーと、完全なる合意に基づいたうえでのもの」などと、過激な行動は女性たちとの“合意の上だった”と主張している。
そんななか、現地時間の2月3日の夕方6時頃には、ロサンゼルス市内にあるマリリンの自宅で「憂慮すべき出来事」が起きたという通報を受けて、警察が出動する騒ぎが発生。数名の警察官たちが駆けつけ、インターホンを鳴らしたが、応答はなく、一度退去。
しかし、2時間後にまた警察官たちが戻ってきた。目撃者の米The Sunへの証言によると、マリリン宅の外で数名が集まっていたといい、「音楽などは聞こえなかったが、大声が聞こえた。庭に人が集まっているようだった」という。
2度目の訪問では警察が自宅敷地内に入り、安否確認を行なっていたそうで、マリリン本人は姿を現さなかったが、アシスタントが対応し、マリリンの身の安全を保証した。
米TMZの報道によると、警察は、マリリンの知人だという人物から、「連絡したが何時間も応答がなかったため、マリリンの身に何かが起きたのではないかと心配だ」という相談を受けて出動したそう。ロサンゼルス警察はヘリコプターも動員しており、一時は、マリリン宅の上空を旋回するなど、物々しい雰囲気が漂っていたという。(フロントロウ編集部)
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