俳優のクリストファー・プラマーが亡くなったことを遺族が発表。享年91歳。(フロントロウ編集部)

クリストファー・プラマーが逝去

 1965年公開のミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ大佐役や、1991年公開のスタートレックVI 未知の世界のチャン将軍役といった数々の名作に出演し、近年では、2019年に公開されたミステリ映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(以下『ナイブズ・アウト』)でミステリー作家のハーラン・スロンビーを演じたことも記憶に新しい、名優のクリストファー・プラマーが、米現地時間の2月5日、コネティカット州にある自宅で家族に見守られながら息を引き取った。

画像: 映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』より©FILMNATION ENTERTAINMENT / Album

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』より©FILMNATION ENTERTAINMENT / Album

 死因や病歴などは明かされていないものの、クリストファーの友人で46年間にわたりマネージャーを務めたルー・ピット氏が米Deadlineを通じて追悼コメントを発表している。

 「クリスは自分の職業を深く愛し、謙虚なユーモアとまるで音楽のような美し言葉を使い、昔ながらのやり方で、敬意をもって仕事に取り組んだ比類なき人物でした。祖国カナダの独特の風合いを巧みに表現した国宝と呼ぶべき人物でした。彼は芸術と人間氏を通じ、たくさんの人々の心に触れました。彼が生きた伝説的な人生は、世代を越えて語り継がれてゆくことでしょう。彼は永遠に私たちとともにあります」


遅咲きの3冠王

 第3代カナダ首相ジョン・アボットを曾祖父に持つクリストファーは、若い頃はピアニストを目指していたものの、俳優に転向。カナダの舞台で活動した後、イギリス・ロンドン、ニューヨーク・ブロードウェイに拠点を移し、確かな演技力でどんどんと活動の場を広げていった。

 1958年に映画『女優志願』で映画デビューを飾ってからは、100作以上の作品に出演。悪役からダンディな紳士まで幅広い役柄を演じ分けたクリストファーは、1974年にミュージカル『Cyrano』でトニー賞を受賞したほか、1977年にはテレビシリーズ『Arthur Hailey's theMoneychangers(原題)』でエミー賞を受賞。さらに、2011年には映画『人生はビギナーズ』で助演男優賞を受賞し、EGOT(エミー賞、ゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞、トニー賞)と呼ばれるショービズ界最高峰と言われる4大アワードのうち3冠を獲得した。

画像: 遅咲きの3冠王

 ちなみにクリストファーがアカデミー賞で受賞を果たしたのは82歳。史上最も高齢での受賞者となったほか、88歳だった2018年のアカデミー賞では映画『ゲティ家の身代金』で再び助演男優賞にノミネートされ、演技部門でのノミネート最高齢記録を更新した。


共演者たちが悲しみのコメント

 ハリウッドの一時代を築いた名優の1人であるクリストファーの逝去にセレブからも追悼コメントが続々。

 映画『ナイブズ・アウト』の共演者のクリス・エヴァンスは、「本当に心を痛めています。信じられない喪失です。こんなにも長くインパクトのあるキャリアを遺した方は多くはないでしょう。『ナイブズ・アウト』での思い出の1つは、彼と一緒にスロンビー家のセットにあったピアノを弾いたことです。彼は愛すべき人物で、伝説に残るほどの才能を持った人でした」とコメント。

画像1: 共演者たちが悲しみのコメント

 2009年のアニメ映画『9 〜9番目の奇妙な人形〜』でクリストファーと声の共演を果たしたイライジャ・ウッドは、「クリストファー・プラマーの訃報に悲しみに暮れています。彼はレジェンドでした」、さらに、『スタートレックVI 未知の世界』の共演者のジョージ・タケイは、クリストファーの代表作『サウンド・オブ・ミュージック』を挙げ、「クリストファー・プラマーがこの世を去り、今日は『サウンド・オブ・ミュージック』が悲しいものとなってしまいました。彼は舞台においてもスクリーンにおいても偉人でした」とツイッターを通じてコメントしている。

画像2: 共演者たちが悲しみのコメント

(フロントロウ編集部)

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